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CA貯蔵

公開日:2023.8.10

「CA貯蔵」とは、果実・野菜などの青果物を長期貯蔵する一方法である。それは冷蔵室内の酸素を減らし、炭酸ガスを増して、青果物の呼吸作用を窒息しない程度に抑制し、体内栄養分の消耗を防いで、冷蔵よりさらに大きな貯蔵効果を上げようとする方法である。CAとは貯蔵室内空気の組成を調節する意味の英語Controlled Atmosphereの頭文字をとったものである。この方法は、別名ガス貯蔵ともいわれる。
空気中の酸素(O)が減少すると果実が成熟しなくなるということは、すでに19世紀の初頭に観察されていて、これを研究し実用化したのは英国のキッドおよびウエストで1920~30年頃である。その後、リンゴと洋ナシを対象にして、西欧各国に商業的CA貯蔵室が作られた。
わが国では1963年からリンゴ栽培地方で商業用が作られている。CA貯蔵が普通冷蔵より優れるのは、長期の貯蔵が可能な点と、出庫後の日持ちが良い点である。ただし、コスト高になる点は不利である。
実施にあたって、庫内の二酸化炭素(CO2)とOガスを所定の濃度に保つ操作が重要である。アメリカのリンゴにおける標準は「デリシャス」、「ゴールデンデリシャス」ではCO2 1~2%、O 3%、温度は0℃から-1℃で「紅玉」が同様に5%、3%、0℃とされている。ガス濃度を調節するので、貯蔵室は気密度の高いものが必要である。
庫内のCO2濃度は、果実の呼吸によって所定の濃度より高くなるので常に測定し、余分なCO2はスクラッバーと呼ぶCO2除去装置で除くようになっている。

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