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番外編「水田転作のポイント教えます! 省力多品目栽培のすすめ」

公開日:2023.7.3 更新日: 2023.6.30

今回は番外編。水田転作の圃場で、省力多品目栽培を実現している(株)ネイグル新潟の清田政也さんの取り組みを紹介します。参考になる様々なポイントを伺いました。

(左から)取材に同行した小西安農業資材株式会社の鈴木望文さん、(株)ネイグル新潟の清田政也さん、プロジェクトに携わっている若手社員。水田転作圃場❷をバックに。

 

田んぼを畑作に転換
省力栽培にチャレンジ

今回は(株)ネイグル新潟の社長室室長の清田政也さん(66歳)の取り組みを紹介しよう。清田さんは阿賀野市内に所有する圃場のうち、田んぼの一部を30aの畑作に転換した。名づけて「田んぼで野菜を作ろうZE!プロジェクト」はスタートから7年目となる。昔に比べて直売所が多くなり、「生産して売る」という出口ができているからそこに向けてどれだけやれるか試している、という清田さん。また、農家の数は減少をたどり、水稲の新規就農者はほとんどいないものの、園芸での新規就農希望者は少なからずおり、園芸ならば需要は伸びていると感じたため参考になればとはじめたプロジェクトだ。

ダイコン、キャベツといった主要品目だけを栽培しては面白くないと考え、少量多品目で周年栽培を実践中。少人数で活動するため、省力、機械なし、余計な手間なし、をモットーとしている。栽培は(株)ネイグル新潟の若手社員に時々担当してもらい、「研修」という体裁をとっている。繁忙期の多いときで5人程が活動しているそうだ。

まずは、清田さんが出荷している市内の農産物直売所「わくわくファーム」「百笑市場」を覗いてみた。なるほどイタリア野菜の紅菊芋や、オクラ、ナスといった野菜を他の人とはちょっと違ったネーミングをつけて販売している。さらにラベルには「甘うまミネラル栽培」などと目をひくキャッチフレーズを加えてあるのが印象的だ。目玉商品のオクラは「やわらかオクラ」と名づけ、味比べできるよう、誰もやってなかった4つの品種をミックス。普通はここまで大きいと硬くなるが、この栽培法はやわらかいのが特徴だ。他にもナスには「ジューシー焼きなす」と食したときのイメージをかき立てるネーミングをつけて購買者にアピール。工夫を凝らした販売戦略を実行していた。

直売所で販売されているオクラ。「ハニー・フレッシュ」を使ったことによりミネラルを含み、「甘くておいしい」をアピール。珍しい野菜にはレシピなども合わせて提案するなど工夫をしている。直売所で販売されているオクラ。「ハニー・フレッシュ」を使ったことによりミネラルを含み、「甘くておいしい」をアピール。珍しい野菜にはレシピなども合わせて提案するなど工夫をしている。
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