農耕と園藝 online カルチべ

生産から流通まで、
農家によりそうWEBサイト

お役立ちリンク集~カルチペディア~
カルチべ市場動向

【関西 野菜】勝間こつま南瓜(なにわの伝統野菜)

公開日:2023.8.22

大阪には「なにわの伝統野菜」という大阪府が認証している伝統的に栽培・利用されていた野菜が21品目あるという話を、前回の「貝塚澤茄子」と「馬場なす」の2種類のナスのときに述べた。

今回も、そのなかのひとつ「勝間南瓜」をご紹介しよう。

「勝間南瓜」は「こつまなんきん」と読む。

勝間というのは、今の大阪市の西成区辺りの地名だ。江戸時代末期に天満の青物市場の問屋行司あてに野菜7品目に限り、勝間村内で販売を許可してほしいという意味の「立ち売り許可願」を申し出たなかに「勝間南瓜」は「南京瓜」という名称で含まれていたらしい。その後、市場で売られているカボチャとは別物で、勝間のカボチャだということで「勝間南瓜」と呼ばれるようになったようだ。

当時としては食味が良くて人気が高かったため差別化販売ができていたらしく、昭和初期までは積極的に栽培、利用が続いていたようだ。

現在、流通しているカボチャは3系統に大別される。

一般的に食べられているのは西洋カボチャで、表面はツルっとしていて甘みが強く濃いオレンジ色をしているものがほとんどだ。

「勝間南瓜」は日本カボチャと呼ばれる系統に属しており、表面はゴツゴツしていて肉質は粘質系で水分が多く繊維質である。

あとはペポカボチャという、主に観賞用の飾りカボチャとして利用されるハロウィンのカボチャやお盆のお供えカボチャなどで、ズッキーニもこのペポカボチャと同属である。

1 2 3

この記事をシェア