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葉面散布

公開日:2023.10.15

植物は主として根から養分を吸収するが、葉面からもよく吸収することができる。したがって、適当な肥料を適当な濃度で葉面に散布すれば施肥の効果が挙げられる。このように、葉に肥料を水溶液の形で施すことを「葉面散布」、あるいは葉面施肥という。

土壌に施肥すると、土壌中でまず肥料が分解され、続いてその一部は不溶性になったり、土に吸着されたり雨水で流れたりして、作物に利用されない割合がかなり多い。その点、葉面散布では肥料を直接葉から吸収させることになるので、肥料の効果が速いうえ、無駄が少ない。しかし、高濃度のときは葉焼けを起こしやすいし、また土壌施肥に比べて肥効に永続性がないので、比較的低濃度の溶液をたびたび与えなければならない。

チッ素肥料としては、リンゴで尿素が農薬と混用して使われるが、野菜では種類によって施用濃度が異なり、また効果もまちまちであるため普通には使われていない。
リン酸肥料としては、リン酸一カリウム・リン酸ナトリウム・リン安の0.2~0.5%水溶液が、野菜でかなりの効果が認められる場合がある。

そのほか微量要素欠乏症の応急治療策として、ホウ素(ホウ酸・ホウ砂)・マンガン(硫酸マンガン)・亜鉛(硫酸亜鉛)などの0.2~0.5%水溶液が使われている。
しかし、いずれも追肥的に使うものであり、何らかの原因で根が損傷したときや、風・干害などで植物が弱ったときには効果があるが、養分欠乏症の根本的解決は土壌の改善・土壌施肥によらなければならない。

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