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種苗審査会

東京都種苗研究会 令和5年度第65回東京都野菜・花き種苗改善審査会 「観賞用トウガラシの部」開催

公開日:2023.12.6

目的:観賞用トウガラシ(Capsicum annuum,ナス科)は大小さまざまな実と株の形を有するバラエティに富んだ品種が数多く発売されており、実付きの花苗としても人気が高い。そこで、観賞用トウガラシ11品種(うち参考l品種)について、4月下旬播種8月上旬出荷の作型における種苗改善審査会を開催する。
開催日時および場所:令和5年8月8日(火)午前10時から、東京都農林総合研究センターガラス温室
出品点数:11点(うち、参考品種1点)
◆栽培概要
播種:令和5年4月24日に、市販播種用土(商品名: TM2) を充填した288穴セルトレイヘ、1穴1粒で播種した(288穴トレイ1枚を1区とした2区制)。
発芽管理:栽培全期間ガラス温室内で管理した。各品種とも発芽は順調だった。
鉢上げ・追肥:5月19日(播種25日後),本葉2~4枚展開時に3.5号黒ポリポットヘ鉢上げした。赤土:腐葉土:ピートモス=5:3:2(体積比)の混合用土を使用し、基肥は用土100L当たり、被覆複合肥料12-10-11(マイクロロングトータル100タイプ) =300g、化成肥料6-40-6 (マグアンプK中粒)=200g、過リン酸石灰0-17-0=250g(用土100L当たり成分量でN=48g、P2O5=152g、K2O=45g)で施用した。追肥として, 7月5日に粒状肥料(商品名:プロミック錠剤(8-25-8) 、1粒/鉢)、7月27日に化成肥料((8-8-8) 、0. 5g/鉢)、7月31日に尿素(0.5g/鉢)を施用した。
潅水方法:栽培期間を通して,ハス口による上部潅水とした。7月以降は、底面給水を併用した。

病害虫防除:表1のとおり。

留意事項:7月20日と8月3日に花柄・枯葉除去を行った。

◆栽培期間中の天候・生育概要
天候概要
5月:高気圧に覆われて晴れた日が多かった。東京の月平均気温は平年並、月間日照時間も
多く、月降水量は平年並となった。
6月:暖かい空気が流れ込んで覆ったため,東京の月平均気温は高く、月間日照時間も多くなった。月降水量も多く,特に台風2号から暖かく湿った空気が流れこんだ影響で, 2日から3日にかけては記録的な大雨となった。
7月:高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、東京の月平均気温は平年に比べてかなり高く、月間日照時間もかなり多くなった。月降水量はほとんどなく、平年の1割強であった。

発芽試験
(1)公定試験(シャーレ):種苗読本(日本種苗協会編)の発芽試験基準に準じ、5月2日に播種した。置床粒数は12cmシャーレ1枚あたり種子50粒の2反復とし、日長条件は24H明期、温度条件は25℃一定管理とした。発芽率はいずれも8割を超えた(表2)。


(2)セルトレイによる発芽率試験(審査終了後配布)
栽培に供した288穴セルトレイ2枚において発芽した数を5月19日に調査した。

生育の概要
供試した全品種とも発芽・育苗期間中の生育は順調であった。気温が高く、日照時間も長く推移したため、生育は早く進んだ。7月以降日中の気温が35℃以上を超える猛暑下において、株の蒸散が盛んとなり、葉の一部に葉枯れのような症状がみられた。
開花の早晩性は品種により違いが現れ、開花が早い品種と遅い品種との開きが2週間程度あった。

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