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渡辺和彦の篤農家見聞録

腐植物質を使って発根促進 キュウリの長期収穫を実現

公開日:2024.1.1 更新日: 2023.12.19
(後列より)橋本文男さん、直弘さん、京子さん。2棟のハウスでキュウリ1380本を栽培。

今回は、腐植物質のフミン酸、フルボ酸を含む「HS-2®︎プロ」を使い、病気知らずと長期収穫を実現した福島県須賀川市の橋本直弘さんを訪ねた。

福島県須賀川市の橋本直弘さん(47歳)は、父親の文男さん(72歳)、娘さんの京子さん(45歳)と母親の4人で米とキュウリを栽培している。江戸時代から農業を営む橋本さんのキュウリのハウスは2棟。1棟の広さはそれぞれ10aで、定植の時期が違うだけの雨除けハウス栽培だ。

腐植物質の効果を
キュウリでも実感

実は橋本さんは以前、キュウリの栽培を断念したことがあった。ひどいホモプシス根腐れ病に悩まされたこと、母親がリウマチを患い、重量のあるキュウリを運ぶのが難しくなったことがその理由で、その際、外食産業をターゲットに絞り、軽量の葉物野菜やベビーリーフの栽培に切り替えたのだ。しかし、2020年頃からはじまった新型コロナの感染拡大で外食産業が軒並み自粛営業となり、売り上げが激減。危機感を感じた橋本さんは、そこで思い切って以前に栽培していたキュウリに転換したのである。

もともとバジルを栽培したときから「HS-2®︎プロ」((株)ケーツーコミュニケーションズ)の効果は実感していた。とくに根の活着には効果が高く、通常は活着に2週間、色が出てくるのには6日かかるところ、「HS-2®︎プロ」を使えば2日で活着し、色は2~3日で出てくるという。そうしたことからキュウリに転換した際も迷わず定植に使ってみることにした。

定植時の他、通常1000倍希釈液にする「HS-2®︎プロ」を葉面散布液として使用。「HS-2®︎プロ」はフミン酸1.4ppm、フルボ酸0.5ppmを含有する。栽培前の圃場の土壌分析値は表1に示す。 表2に基肥量、表3に追肥量、表4に農薬と 「HS-2®︎プロ」散布実績を示す。「HS-2®︎プロ」を使用しはじめてから農薬の使用量が3分の1程度と少なくなったそうだ。

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