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【関西 果実】2023年を振り返って

公開日:2024.2.6
(画像/photolibrary(https://www.photolibrary.jp/))

2023年は春から秋にかけては気温が高い状態が続いた。低温であった時期はほとんどなく、統計開始以降で年平均気温が1位の高温となった地域が多く、とくに北日本など冷涼な地域でも季節平均気温が1 位の高温となり、秋から冬に収穫を迎える果樹にも大きな影響を与えた。

また全国的に秋雨前線や低気圧、台風の影響もほとんどなく、秋は高気圧に覆われて晴れた日が多くなり、降水量が少なく日照時間が長い干ばつ状態が長く続いたため、季節を問わずに生育不良となった品目が多く見られ、品質低下品も多く収穫量の少ない状況となった。

1月は2022年作のミカンの不足感から引き合いが強まり、入荷量は多かったものの単価高で推移した。イヨカンなど晩柑類は不作傾向で入荷量は少なかった。リンゴは豊作で入荷量は増えたが下位等級品の発生が多く単価安となり、この状況は4月まで続いた。イチゴは2022年末の寒波の影響で1月へ入荷がずれ込んだため入荷増量となった。全体では入荷増の単価高となっているが、ミカンが平均を持ち上げただけで、その他品目については単価安であった。

1月下旬に寒波の影響や産地の天候が不安定でイチゴの入荷が減少、ミカンや晩柑類は不作傾向であった。例年であれば2月は中旬以降の荷動きは鈍いのだが全般に入荷量が少なかったため、価格は高値推移となった。

3月も引き続きカンキツは全体的に不作傾向であったが、気温高で前進出荷となり結果的に入荷量は前年並となったものの、量販店の売場展開が追いつかず発注が少なかったため単価安となった。イチゴも前進出荷で過剰供給気味となり販売に苦戦した。

4月に入っても気温高が続き、イチゴは九州産地を中心に荷傷みが多く入荷減量の単価安となった。カンキツは3月の反動もあって量販店が売場を広げて引き合いが強かったため入荷増量となった。スイカの入荷もはじまったが前進出荷傾向で入荷量は多かった。

5月に入るとリンゴは有袋「フジ」がメインに切り替えられたが、産地価格が高かった影響で単価高となり荷動きが鈍くなった。一方で「ジョナゴールド」と「王林」を中心に対輸出の荷動きが活発となった。イチゴは4月に引き続き荷傷みが多かったため管理の行き届いている圃場に限定されての出荷となり、入荷量が減少した。スイカは熊本産が4月に前進出荷となり5月の入荷量は減少した。

6月に入るとモモやサクランボが主力となっていった。モモは出荷が早まったため入荷増量となり、秀品率も高く単価高で推移した。サクランボも気温高で開花が早く入荷が前倒しとなったが、前月末に早々に梅雨入りし、6月中は長雨が続いたこともあって後半に傷みが多く発生して積極的な販売が行えなかった。小玉スイカが交配不良により産地出荷量が少なく入荷量が少ない状況が続いた。

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