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40年ぶりの三毛門かぼちゃ

公開日:2019.2.22

こんにちは! チームカルチべの園長と申します。今後ともよろしくお願いいたします。私、もともとは九州の人間でして、そのあたりの話題もお届けできたらと思います。
で、1発目のネタとして、子供の頃からずっと疑問だった謎が、つい最近になって解けたのでその話から。実は地元の料理で「団子汁」というものがあります。味噌仕立ての汁に野菜と小麦粉で作った手延べの団子というか麺のようなものが入った、ほうとう汁のようなものです。これはこれで美味しいのですが、子供の頃、よく祖母が作ってくれたものに「かぼちゃの団子汁」があります。同じ団子汁といっても、味噌仕立ての汁ではなく、かぼちゃの甘い煮つけを煮崩したような汁の中に団子が入っていて、いわゆる団子汁とは全く違う味わいの物でした。地元で広く作られていたのか、祖母のオリジナルなのかはわかりません。
同じ団子汁の名前はついていますが、「ぜんざい」とか「汁粉」の類に近く、どちらかというと甘味系の料理で、子供の頃は普通の団子汁よりもこちらのほうが好みでした。
ところが、中学生くらいになって、自分で料理を作るようになり、記憶を辿ってこの「かぼちゃの団子汁」を再現しようとしてもなかなかうまくいかないのです。ホクホクの栗かぼちゃでは水気が少なすぎて、なかなかうまく汁が作れず、水分の多い、いわゆる「日本かぼちゃ」であれば何となく近いものはできるのですが、入手が難しいうえに、それでもなんだか味が違う。レシピが違うのかなあ、と思いつつ、当時、もう祖母が亡くなっていたので聞くわけにもいかず、長年疑問のままでした。ところが最近になって、ある新聞記事で「三毛門かぼちゃ」の存在を知り、疑問が氷解しました。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、「三毛門かぼちゃ」は日本最古の渡来種なのだそうで、北九州市の三毛門エリアなどで栽培されているかぼちゃ。煮ると今どきのかぼちゃと比べて水っぽいのが特徴なのだとか。祖母は出身が北九州で、三毛門の浜などで遊んでいたといった話を聞いたことがあり、なんとなく三毛門というワードが引っかかってたまたま記事を読んだだけだったのですが、画像を見ると、祖母が皮を剥いていたのがまさにこのかぼちゃです。40年ぶりくらいで再会できた「三毛門かぼちゃ」。最近は保存会なども出来ているそうなので、いつか手に入れて団子汁に挑戦してみたいものです。

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