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とろ~り激甘&サクサクで激旨 春の季節にほっぺが落ちるナシ「南水」は最高だ!

公開日:2019.4.12
春だというのにこんな立派なナシが!? 果たしてお味は…?

こんにちは! KILO814です。春が来た! と思いきや、花冷えなんですかね、ちょっと寒い日が続いてます。油断していたのか、会社の同僚が何人か風邪にかかったようです。

さてさて、町内会の打ち合わせで立ち寄った青果店「むさしや」さんで、発見しました! この季節にナシが食べられるの? どうせ味はイマイチなんでしょ? なんてとんでもない。美味し過ぎて店で絶叫してしまった貯蔵物のナシ「南水」についてご紹介します。

今年の子ども神輿の日程を話していた時、ふと目に飛び込んできたのが、隠すようにさりげなく置かれている箱。怪しい。

さりげなく「光センサーが選んだ果物」と書かれています。選ばれしエリート軍団!

「飯島さん、まさか、ナシじゃないよね?」とたずねると、「これがまた、この時期に品種「南水」のナシが出回るのは、僕もはじめて。食べてみる?」。ということで、お言葉に甘えて試食。「どうせフカフカでスカスカなんでしょ……」というマイナス予想を大きく覆す結果に。

この「南水」は、昨年の11月に出荷されたものを貯蔵していたんだとか。約5ヵ月も経過しているのに、このみずみずしさは驚いた。貯蔵技術の開発が進んでいると感じました。

ナシを半分に切り包丁をあてると、サクサクと音をたてて皮がむけます。皮に張りがあり実がしっかりしている証拠です。「まさか貯蔵物で『南水』が出てくるとは思わなかったよ。この季節の貯蔵ものならば品種『晩三吉(おくさんきち)』で、この品種は酸味が比較的強めで好みがわかれるところなんだ。仲卸で勧められて今年初めて入荷してみたけど、『南水』がこの時期に出てくるとは思わなかったよ」と興奮気味に話す飯島さん。飯島さんは、おみこし担いでいるときは別人のテンションになるんですが、その時と同じ目の輝きをしています。ワッショイ!

業界が注目する「南水」。見るからにみずみずしく、シャクシャクしてそう♡

ナシは輸出も盛ん。特にナシ品種「二十世紀」の貯蔵技術が確立されていて、多く海外に輸出されているそうです。「『氷温貯蔵』といって、凍るか凍らないかギリギリの温度管理で、果肉の痛みもなく、水分も失われない、もちろん糖度は維持したままの貯蔵技術が発達しています。ナシを仮死状態で貯蔵します」。貯蔵施設の大気組成も変えて、酸素を少なくして、呼吸も抑える(CA貯蔵ね)。仮死状態ですか。代謝と酵素の働きも落ちるから糖分もそのままなのかしら。そもそも、果実って代謝しているのか、成熟と腐敗って……。考え出すときりがないから、目の前のナシに集中だ! 貯蔵技術は品種ごとに異なり、品種「南水」での貯蔵実績はそれほどないのではと飯島さんは言う。「だから、この時期に『南水』が出せるのは、業界的にも結構注目されることだと思うよ」。

は、早く食べたい!!

そして、実食! サクっとした触感の後に続いて、上品な甘い果汁が口の中にジュワーっと広がります。くぅううう。思はず「おいしい!!」と絶叫。これだよこれ。夏の暑い日に、歯切れよくジューシーなナシの美味しさが、この春に楽しめるなんて。最高!

あぁ、おいし過ぎて撮影する前に食べてしまった。残り一切れになって、焦って撮影。
果肉は緻密で、切り口も色白で美しいですね。「南水」の時代がすぐそこまで来ているかも!?

品種「豊水」や「新高」は包丁で切ると切り口が赤くなるけれど、この「南水」は赤く変色しにくいらしく、飯島さんによると、果肉が緻密だから、だそう。変色の原因をネットで調べてみたところ、ポリフェノールの酸化で起こることがわかりました。そうすると「南水」はポリフェノール含有量が少ないってことかな? 赤くならない方法を考えて、夏休みの自由研究にするのもいいですね。

気になるお値段は、1玉300円。え? 安すぎない? 「うん、仕入れも安くできたから。お客さんに喜んでもらおうと思って」ですって。果物で、こんなに幸せな気持ちになれるなんて。みんなを笑顔にする春のナシ。自宅用に買って帰ったKILOでした。季節外れのナシですが、貯蔵技術が進歩していて、旬の時期と変わらない味で食べられます。見つけたらぜひ食べてみてくださいね。

次回はまたちがうネタで!

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