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摘蕾、摘花、花殻摘み、花摘み

公開日:2019.5.30

花をつぼみ(蕾)の状態で摘むことを摘らい(蕾)、開花前後の花で摘むことを摘花と言う。摘花した花は廃棄するが、人工授粉用の花粉を得るための葯を採取する摘花は花を収穫するもので、花摘みまたは採花と呼ぶ。咲き終わった花を摘む時は花殻(柄)摘みと言い、花の花弁だけを摘む時は花抜きあるいは花弁落としと呼ぶ。また、切り花用に着花枝を切り取ることを生産者は採花と言い、観光農園で消費者が切り取るときは花摘みと言う。なお果樹栽培では摘蕾と摘花とは区別せずに、摘花と呼ぶことが多い。

切り花の摘蕾 つぼみが開花するまでには多くの養分を消費するので、切り花栽培では不要なつぼみを摘蕾して少数の花に養分を集中させて良質花を得る。

果樹の摘花 果樹栽培では摘花と未熟果を摘む摘果を行い、適当な花や果実だけを残し、果実当たりの分配される栄養物質を多くして品質を良くし、樹勢も維持する。リンゴの花序では中心花だけを残し、ナシは基部から3~4番目の花だけを残して摘花する。カキは摘蕾して新梢当たりの花数を1つにする。モモは花芽数が多いので、若いつぼみのうちから摘蕾する。ビワはつぼみの時に花房先端部をはさみで切除する。

花粉採取用の花摘み リンゴ等の主要品種との交配親和性があり、1花当たりの花粉量が多い品種を選び、花弁が風船状に膨らんだつぼみから開花直後の花までを摘む。

球根の摘花 未開花の種球を成熟した球根に育てる球根生産では、開花させて特性を確認した後に摘花する。摘花によって開花に要する栄養物質を球根へ向かわせ、球根の肥大を促す。また灰色かび病の感染源になる花弁を除去し、株への感染を防ぐ。

チューリップ:開花中に異品種株を、開花前後にウイルス病株を抜き取り、その後に摘花する。ウイルス病株は白色や黄色花の品種では花色で判定できないので、生育不良、花弁切れ、葉の濃淡モザイクを指標にし、他の花色では花弁に現れる色の濃淡による縞で判定する。

グラジオラス:第1花を残して花穂を手で摘み、花穂を軽くして倒伏防止を兼ねる。

フリージア:異品種が混在した時は、木子も含めた株全体を抜き取る。側枝も開花するので、摘花は数回行う。

花殻摘み 開花後の枯れ残った花を花殻と言い、花殻摘みによって花壇などの美観を保つと同時に、病気の感染源となる花殻を除去する。

花抜き 果菜類では開花の終わった花弁から灰色かび病が発病し、これが幼果に侵入するので、受粉後の花弁除去は衛生上好ましい。ナスは着果剤の処理で花弁が脱落しなくなるので、萎れ始めた花弁はへたの下から抜き取るが、これを花抜きと呼ぶ。

花摘み 観光花摘み園の栽培圃場では、観光客は好みの切り花を採花する花摘みができる。

『農耕と園藝』2015年12月号より転載

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