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街と庭園の渚

公開日:2019.4.22

みなさま、こんにちは!

この間崩した体調も徐々に戻りつつあり、改めて健康のありがたみを噛みしめているづみたんです。ご飯がおいしく食べられるって素晴らしい…!

 

さて、本日は都内にある庭園のお話でも。といっても体力づくりにランニングしているわけではありません。

先日、私が訪れたのは都内・汐留にある浜離宮恩賜庭園。国の特別名勝及び特別史跡です。

浜離宮恩賜庭園は、都内で唯一東京湾の海水を引く潮入の池がある庭園です。潮入の池とは、海水を導き潮の満ち干によって池の趣を変える様式のこと。

江戸時代から続くこの庭園には、ボラをはじめ、ハゼやウナギなどの海水魚が棲んでいます。池の周辺にはベンケイガニ、フジツボなどの姿が見えることも。

また、浜離宮恩賜庭園には、「御茶屋」と呼ばれる場所が多くありますが、歴代の将軍たちはその御茶屋で賓客と共に楽しみながら食事をしたり、調度品を鑑賞したりと風趣に富んだ過ごし方をしていました。鷹狩りの際の休憩場所としても使用していたそうで、資料に基づいて忠実に復元された建造物には、往時をしのばせる景色がよみがえっていました。

池の中心にある「中島の御茶屋」。おいしいお抹茶と和菓子を楽しむことができます。よく晴れた散歩日和はぽかぽかしていて気持ちがいいですよ。「濱」の文字がかわいらしい。
潮入の池の岸と中島を結ぶお伝い橋にあったカラーコーン。景観条例でブラウンに染められお行儀よく並んでいる姿が愛おしい。
サクラにはめずらしく、黄緑色で八重咲きの美しい花を咲かせるウコン。初めて見ました…!
今年最後のソメイヨシノかな、と思いながら眺めていたときの一枚。

このほかにも、六代将軍家宣が庭園を大改修したとき、その偉業をたたえて植えられたといわれる「三百年の松」や、アヤメ、カントウタンポポ、ハナカイドウなどの春の花が随所に凛々しく咲き誇っていました。

都心の高層ビルを目の前にしながら、穏やかな自然に囲まれている光景には何ともギャップを感じるものですが、風情溢れる庭園の歴史に触れられる環境は、いつまでも大切にしたいとしみじみ思います。

そんな私の今年の密かな目標は、「文化財庭園」と呼ばれる都内9庭園を歩くこと。

散策したいのは旧芝離宮恩賜庭園、小石川後楽園、六義園、向島百花園、清澄庭園、旧古河庭園、旧岩崎邸庭園、殿ヶ谷戸庭園……と、20年近く都内で暮らしながら、耳にしたことはあるけれど訪れたことがない場所、幼い頃に出掛けた記憶が薄れてしまった土地なども含まれています。

しかし、いずれも大人になって、改めてゆっくりとまわってみたい庭園。そこで四季折々の植物に出逢いたいのです。

 

思えば「都立庭園」というのは不思議な場所です。

「渚」という言葉は、空でも海でも陸でもない、生物が混ざり合う大切な境界のことを差すらしいのですが、私はそのどこでもない空間に流れる呼び名に、昔からとても心惹かれています。

今回訪れた浜離宮恩賜庭園は、都会の喧騒との狭間に位置し、庭園でありながら潮の香りがして、まるで渚のようでした。

都立庭園とは、文化の変遷と現代建築とが織り交ざり、人と自然とが調和する波打ち際なのかもしれません。

これからもっともっと、いろいろと散策したいものです。

 

おや……?

『庭園と庭園を結ぶ「園結びチケット」発売中。季節を変えて庭園に咲く花々を観賞いただく際にも便利。正規料金から50円もお得です。 なお、「園結びチケット」は有効期限がありません……?』

 

 

 

 

こ、これだーーーーー!!!

 

 

それではみなさま、次回も週明けにお会いしましょう!

月曜日担当のづみたんでした。

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