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五感で感じる春

公開日:2019.5.7

長いな~と思っていた連休も、終わってしまうとあっという間ですね。今日から通常営業です。

さて、さっそくですが連休中に仕入れたネタをひとつ。

妻の実家に帰省したときの話です。妻の実家は自然豊かなところで、帰省するといつも畑で採れた野菜や地のものを振舞ってくれるのですが、今回の帰省は山菜づくし。ゆでたコゴミにフキノトウの天ぷら、山ウドのきんぴらなど、旬の恵みをたくさんいただきました。

そして、義母の山菜採りにも同行してみました。家から車で2~3分、近くに沢のある林に着くと、義母と妻は「ある、ある」と言いながら藪の中へ。慣れた手つきでヒョロ~っと伸びたつるを摘んでいきます。「木の芽だよ」と教えてもらったそれは、アケビの新芽でした。

「木の芽」と聞いて浮かぶのは一般的には山椒の若葉だと思うのですが、妻の実家、新潟ではこの季節の「木の芽」と言えばアケビの新芽なのだとか。私も手伝おうと藪に入りましたが、途端に鼻がムズムズ……見上げると杉の木がそびえ立っていましたので、収穫は手際のよいふたりにまかせました。

これがアケビの新芽「木の芽」。伸びたつるの部分を摘みます。

このアケビの新芽ですが、調べてみるとどうやら複数の種類があり、雪深い地域で食べられるタイプはアクが少ないのが特徴のようです。アクが少ないと言えど、さっとゆでたあとはしっかり水にさらします。そして、黄身醤油をからめて食べるのが定番なのだそう。義母は「香りも味もないような山菜なんだけどね」と言いますが、食べてみると、ザクザクとした食感とほろ苦い後味がなんともクセになりそうな、不思議な味わいです。「今日はどこで採ってきた?」なんて会話をしながら食べる山菜は一層おいしいですね。山菜は、収穫も含めて春の訪れを五感で感じられる楽しみなのだと感じました。

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