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月にチューリップ

づみたん
公開日:2019.5.27

みなさま、こんにちは!

気づけばあと数日で6月を迎えようとしている事実に慄いているづみたんです。編集部はといえば、すでに秋号の取材へ。

今年の夏は、やり残したことのないよう過ごしたいですね……(遠い目)。

さて! そんな夏目前の本日は、月とチューリップのお話でも。

先日、母と都内・乃木坂にある国立新美術館で開催されていた、「トルコ至宝展 チューリップの宮殿トプカプの美」に行って参りました。

展示会では、イスタンブールのトプカプ宮殿博物館が所蔵する貴重な宝飾品や、美術工芸品を通し、花々、とりわけチューリップを愛でた宮殿の生活、オスマン帝国の美意識や文化、芸術観を紹介していました。

今回驚いたのは、トルコの人々の「チューリップへの愛情と信仰」です。展示されていた約170点の作品のそのほとんどには、衣服にも鏡にも、盾にさえ、チューリップが施されていたのです。これまでに開催されたトルコに関する展覧会の中でも、チューリップにまつわる作品はありましたが、チューリップにスポットを当てたものはありませんでした。

しかし、なぜ“チューリップ”なのでしょう?

一見、美しいオリエンタルな柄ですが、よく見てみるとすべてにチューリップが描かれています。背景や花弁もトルコらしい配色に。

実は、チューリップはトルコを語るにおいてなくてはならない存在。トルコの言葉で「チューリップ」の名称は“ラーレ”。もともとは「赤い花」という意味でしたが、アラビア文字で表記されたラーレの綴りを組み変えると、“アッラー”という神の名前になります。

さらに、ラーレを語末から読むと、トルコの国旗に描かれた“三日月(ヒラール)”を意味する言葉になるのです。チューリップは、トルコにとって国をあらわすそのものであり、重層的なシンボルだったということですね。つまり、今回チューリップに着目することがトルコの歴史と文化を知ることだったのです。

母と私は美術館を後にしてからも、しばしトルコやチューリップ、植物モチーフについての魅力を語らいました。

この日、カレーを食べていたのはたまたまです。(過去のブログ:「予兆は一皿に」参照)

私は母に特に感謝していることが3つあって、1つ目が「本を好きになるきっかけをくれたこと」、2つ目は「花を好きになるきっかけをくれたこと」です。

上の2つは自分がこの仕事をするようになってよく思うこと。

共働きの家庭だったにも関わらず、どんなに忙しくても寝る前には毎晩必ず絵本を3冊読んでくれたこと、庭仕事などを通して植物の名前や季節の花を飾る楽しみを教えてくれたことが、今の自分を作っているような気がするのです。

特に感謝していることの“3つ目”は、恥ずかしいのでまたいつか。

今までは何気なく見ていたチューリップも、ちょっとした歴史に触れることで、少し違う見方を知ることができました。もしかすると、これからは可憐に揺れる姿の中に、ほんの少し神々しさを感じたりするのかもしれません。

きっと他の草花にも、私の知らない意味や文化が隠れているのでしょう。

今後、もっといろいろな姿を知っていきたいなぁと思いました。

写真はコデマリや六条麦たちに挟まれてそっと顔をのぞかせる初春の頃のチューリップ、 「ピンクアチュール」と「マーベルパーロット」。

 

それではみなさま、次回も週明けにお会いしましょう!

月曜日担当のづみたんでした。

 

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