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先人の知恵

公開日:2019.5.14

連休が終わった途端に初夏がきたような気候になりましたが、今週は過ごしやすい日が続いていますね。

さて、前回の木の芽に続き、今回も山菜の話です。先日の帰省では、ほかにもあちらこちらに自生している山菜を見ました。なかでも「ゼンマイ」は、生えている状態、干しているところ、保存しているものと、いろんな段階を見ることができてとても興味深かったです。

ゼンマイは、収穫するとまず綿毛をとります。アクがあるので、ゆでてしっかりと水にさらすのはほかの山菜と一緒ですね。ゆですぎると柔らかくなりすぎるらしく、ゆで加減は結構難しいそうです。その後、天日干しをします。重ならないように広げて干して、ときどき丸めて軽く揉み、また干して……と繰り返すと、だんだん水分が抜けていき、3〜4日干すとすっかりカラカラに。しっかり乾燥していれば1年以上もつそうです。手間はかかりますが、こういった季節の恵みをうまく保存する知恵には驚かされますね。

自生しているゼンマイ。
干して揉んでを繰り返して水分を抜く。
しっかり乾燥させると1年以上保存できる。

乾燥したゼンマイを見せてもらったときに、妻がふと「こんなに手間がかかるんだから、あの取り除いた綿毛も何かに活用できたらいいのにねぇ」と言いました。すると「昔はあの綿毛も真綿と一緒につむいでいたんだよ」と義父。これには妻も私もびっくり。調べてみると、たしかに「ゼンマイ紬」という着物がありました! 自然の実りはあますことなく使うというのも先人の知恵だなあと、また感心してしまいました。

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