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カルチべ取材班 現場参上

カルチベ取材班、野菜・花き種苗改善審査会へゆく③ 「スイートコーンの部」を知りたい!

公開日:2019.6.26

みなさま、こんにちは!

本日のカルチベ取材班は、またまた『農耕と園藝』でもおなじみの、「野菜・花き種苗改善審査会」(東京都種苗会主催)の取り組みをお届けするため、東京都農林総合研究センターに現場参上しました!

東京都農業総合研究センター立川分場の圃場内に咲く美しいヤマボウシ。

今回も、前回(カルチベ取材班、野菜・花き種苗改善審査会へゆく② 「キンギョソウの部」を知りたい!)同様、今年で第61回を迎えた由緒正しい審査会の様子をお伝えしたいと思います。

今回の品目は「スイートコーン」

みなさまご存知のとおり、野菜・花き種苗改善審査会は、毎年東京都農業総合研究センター立川本場および江戸川分場で開催されている審査会。品種や栽培品目、栽培技術の向上などに役立てられます。そして、そんな本審査会で今回対象となるのは、これからの時期甘くておいしい「スイートコーン」です。

食味の良さや、さっと茹でて口にできる手軽さが人気に火をつけ、毎年欠かさずたのしみに食べているという方も多いスイートコーン。夏の定番商品として各種苗メーカーも気合いの入る品目です。

スイートコーンの栽培概要と生育経過

さて、そんな今回の審査対象品目であるスイートコーンの出品点数は、全部で16点(内参考出品2点)。

詳しい栽培概要は、以下の通りです。

[栽培概要]

  • 供試圃場 東京都農林総合研究センター内 洪積土圃場(表層腐植質黒ボク土)、前作キャベツ
  • 播種 2019年3月7~13日(出品各社の申告日に播種/200穴セルトレイ)
  • 定植 2019年3月20~23日、透明マルチ9230チドリを使用
  • 被覆 定植後から4月24日までユーラックカンキ4号をトンネル被覆
  • 区制 1区約30株の2連制
  • 栽植距離 ベッド幅70cm、通路80cm、2条植え(4400株/10a)
  • 施肥 基肥:N-P2O5-K2Oを成分量で16-22-16kg/10a 追肥:N-P2O5-K2Oを成分量で合計7-0-7kg/10a(5月8日、22日)

病害虫防除は、東京都病害虫防除指針に従い下記の薬剤を施用

  • 定植時 ガードベイトA  3kg/10a
  • 5月16日 パダンSG水溶剤 1000倍
  • 5月30日 プレバゾンFL 2000倍、アルバリン顆粒水溶剤 2000倍
  • 6月6日  アニキ乳剤 1000倍、アルバリン顆粒水溶剤 2000倍

[生育経過]

すべての品種で7日後には、出芽揃いとなりました。

セルトレイでの出芽率は、品種によってややばらつきが見られ、78~99%でした。定植後、3月24日に外気温-0.5℃、4月4日は同1.2℃の低温の日があり、一部低温障害の症状がみられたため、損害が大きい株のみ、予備苗に植え替えました。その後の生育は順調に進み、影響はほとんどないと考えられます。

雄穂抽出期は品種による差異があり、5月7日から14日でありました。絹糸抽出は、その後の5月19日から23日にみられました。5月21日に南東よりの強風が吹き、ほぼすべての株が大きく傾きました。翌日、1株ずつ起こし、株元に土を寄せ、踏み固めることで直立させました。

生育初期には低温の日が見られましたが、生育期間を通して気温は高く、特に5月中旬以降は平年よりも高い日が続き、生育は進みました。

6月に入り連続した降雨があり、一部の品種え倒伏が見られました。本審査日までの生育日数は、品種によって異なり、播種日から92~98日です。同じく絹糸抽出日からの日数は、21~25日でした。

立ち毛審査・展示審査・食味審査へ

今回の審査会では、立ち毛審査・展示審査・食味審査の順にそれぞれの観点から審査が行われます。

立ち毛審査の様子です。今回も審査員のみなさんは1区と2区に分けられた圃場を入念に何度もチェックし、採点を行っていました。
立ち毛審査が終わると、今度は展示用のスイートコーンを収穫します。原則、通路側から4株目~9株目2条の合計で1品種1区あたり12本の収穫です。条件によって適切に雌穂が収穫できないときのみ、前後の株を収穫対象とします。
収穫が終わり、展示および食味審査会場へ運搬します。
審査会場では、職員の方々が収穫物をシートに並べています。
大きさ順に左から右側へ並べ、柄の部分は5cm程度残して切除します。
収穫物を一通り並べ終わったら、大2本・小2本を除いた8本を剥きます。
平行して食味審査用のスイートコーンも並べます。こちらは通路と反対側から1株外した南側2本を収穫したものが陳列されています。
食味用スイートコーンは、沸騰した湯で3分ほど加熱調理し、前日に冷蔵保存。縦割りに4等分し、それぞれを6個に分割したものを2本分用意します。一つの品種×2区=48個分という計算ですね。
審査員のみなさんは、膨大な量のスイートコーンが並ぶ中、一つひとつの食味や粒の揃いなどを細かく確認します。
カルチベ取材班も食味を確認! いずれの品種も甘みが非常に強く、糖度の高さが伺えました!
この日集まった各種苗メーカーや農総研職員の方々、農業メディアなどがさまざまな角度からスイートコーンの食味について意見交換をします。

結果発表

さて、いよいよ気になるスイートコーンの部の審査結果が発表されました。各審査の総合点数を踏まえて、今回の審査はご覧のとおりの結果となりました。

[審査成績表]

Ⅰ等 1位 MSG-1213(株式会社武蔵野種苗園)

Ⅱ等 2位 MSG-1204(株式会社武蔵野種苗園)

Ⅱ等 3位 サニーショコラ88(みかど協和株式会社

Ⅲ等 4位 MKS-1529Y(みかど協和株式会社)

Ⅲ等 5位 PSX-1731(朝日工業株式会社)

品目への探求と更なる栽培技術の向上

今回も以上の結果と講評をもって、審査会は無事終了となりました。

この日の展示用・食味用などで剥かれたスイートコーンの本数を物語るコンテナ。

各メーカーの方々が選りすぐりの品種を持ち寄り、毎年欠かさず行われている歴史ある野菜・花き種苗改善審査会。

各品目の向上や栽培技術の発展のための糸口を探求し続ける情報交換・意見交換の場所が、身近な野菜・花きを産み出し育ててくれているということを改めて感じました。

審査講評と今後の審査会予定は?

今回の「スイートコーンの部」の審査講評については、本誌「農耕と園藝 秋号」(2019年8月23日発売)にて詳しい内容を掲載いたします。こちらもお見逃しなく!

また、第61回 野菜・花き種苗改善審査会の様子は、ホウレンソウパンジー業務用コマツナなど、続々と最新の審査会情報をお届け予定です。今後もぜひご覧下さいませ!

それでは、次回の「カルチベ取材班 現場参上」お楽しみに!!!

 

 

 

協力/東京都農業総合研究センター立川本場
取材・文/編集部

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