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夜の植物園

づみたん
公開日:2019.8.20

こんにちは! 編集部のづみたんです。

お盆が終わり、なんとなく夏から秋へと季節の移り変わりを感じています。真夏のピークが去ったと気象予報士もテレビで言っていました。

さて、そんな暑さが続く本日は夏休みに訪れた「夜の植物園」のお話でも。

先日、夢の島熱帯植物館に行ってきました。

夢の島熱帯植物館は『熱帯植物と私たちの生活とのかかわり』を広く紹介することを目的に、1988年東京都江東区に作られた都立公園です。

一年を通してさまざまな熱帯植物と植物が生み出すエキゾチックな風景を間近に感じ、植物や熱帯についての知識を得ることができます。館内をぐるりとめぐる内に、いつのまにか熱帯植物と人間の生活とかかわりを見つけられることから、社会科見学などにもよく使用されています。

また、夢の島熱帯植物館の特徴的なドームは高さ25メートルを超え、A~Cドームと全部で3つのエリアに分かれています。

こちらはCドーム内。

Aドームでは「木性シダと水辺の景観」と称して、音を立てて流れる滝ととともに巨大な水性植物が出迎えます。

Bドームは「ヤシと人里の景観」。熱帯の家をイメージして作られた小屋を中心に、バナナやマンゴー、カカオなど食べられる植物が多く植えられています。

Cドームには「小笠原の植物とオウギバショウ」のエリアが広がり、東京都の亜熱帯と呼ばれる小笠原の植物が集められていて、タコノキやムニンノボタンなど貴重な植物と出会うことができます。

これらのドームで行われるイベントのスコール体験や空中散歩などは、毎回とても人気を集めているそう。そのほか、映像ホールやイベントホールなどでも季節ごとに展示テーマが変わり、人間の生活が植物によって支えられているということがわかりやすく解説されています。

そんな夢の島熱帯植物館でなんと夜咲き植物と出会えるイベントが開催されるとのこと!

なんでも夜の大温室を開放し、普段見る機会のない雰囲気満点の夜のジャングルや、夜にしか咲かない花の姿・芳香を楽しむことができるらしいのです。そんな素敵なお話を聞いたからには、行くしかありません…!

生ぬるい風が吹き抜ける熱帯夜、私は早速目的の場所へ向かったのでした。

到着した夜の熱帯植物館。「懐中電灯をご持参いただくと、よりお楽しみいただけます」のご案内通り、いつもとは違ったドームの様子が伺えます。館内を散歩してみると、早速たくさんの夜咲きの花が……!
【サガリバナ(サガリバナ科)】 東南アジアから太平洋諸島の湿地に生育し、名前の通り長い花穂が垂れ下がります。花は多数の雄しべが目立ちますが、夜に開花して翌朝には落下してしまうそう。
【イランイランノキ(バンレイシ科)】 イランイランとはタガログ語で「花の中の花」という意味。フィリピンが主な原産地です。この花から香油を製油しますが、採れるのは高さ20メートルを超す高木。残念ながら、展示の園芸品種は、本来の香りを持っていません。こちらは街路樹としても利用されています。
【ヤコウボク(ナス科)】 原産地は西インド諸島で、高さが3メートルくらいになる常緑低木。円錐状の花序に黄緑色で筒部の長い花が咲きます。夜になると花を開き、むせかえるような香りがします。夜行性の蛾が、筒の長さにあった口吻を差し入れるときに体が花粉に付着して別の花へと運ばれるそう。熱帯を中心によく栽培されています。
【パラグアイオニバス(ハス科)】 中央・南アメリカの熱帯に分布しています。本来は多年草ですが、熱帯地域では越冬できないため、一年草として扱われます。葉の表面を除いて全体に鋭いトゲがあります。同じVictoria属のオオオニバスよりも直角に立ち上がっている葉の縁が高くなるのが特徴です。花は夜に咲き、芳香を放ちます。開花は2夜に渡り、一日目は白色ですが、二日目は桃色に変わります。今回、花は見ることができませんでした。
こちらは以前、渋谷区ふれあい植物センターへお邪魔した際(※「バザールは植物園で」参照)にもご紹介した、ユーフォルビア・ミリー(ハナキリン)。花弁のように見える箇所の正体は、みなさまご存じの通り“苞”です。こちらは夜咲きの花ではありませんが、いつ見ても愛らしいですね。
当日は夏休みということもあって、自然探索に訪れたたくさんの親子連れの姿が。館内はライトアップできらめいていて、私も好奇心がかき立てられました。この芝生エリアに散りばめられた光の粒は……
なんとキャンディー型のライト。人々を出迎えるやさしい光が植物たちを照らし出すことで、普段とは全く異なる雰囲気を十分に楽しむことができました。小さな子どもたちがスタンプラリーなどのツールを通して冒険するように植物を探し、花の香りを確かめる様子がとても印象的でした。

今回、“夜”という普段とは違う角度から熱帯植物の魅力に触れることで、ますます生命力あふれる植物たちの虜になってしまいました。

また、国内における夏の暑さが年々増していることもあり、耐暑性に優れた花の更なる需要を改めて感じました。

日頃こういった植物にはあまりかかわる機会がないという方も、ぜひ一度植物園に訪れてみてはいかがですか?

この秋も、夢の島熱帯植物館では、期間中入館無料となるオータムフェスタの開催や、茨城県常陸大宮市で栽培された100キログラムの巨大なカボチャを100個以上展示する催しなど、気になるイベントが盛りだくさんです。

また、今回ご紹介した夢の島熱帯植物館も関係する「夢の島夏花プロジェクトで花業界を盛り上げる!~2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて~」が「カルチべ取材班 現場参上」でまもなく公開予定です!

こちらでは、2020年開催のオリンピック・パラリンピックにまつわる夏花ついてのトピックスをまとめました。

厳しい日本の夏も乗り越えられる耐暑性に優れた花についての研究成果や、今後栽培に活かしていただけるような技術情報をお届けします。さらには、これらに関連する新連載がスタートするとの噂も……!?

ぜひお楽しみに!

前回、夢の島熱帯植物館を取材した際に出会ったカバの植木鉢。つぶらな瞳と再び目が合ってしまいました…。季節がめぐったら、また会いに行こうと思います。

 

それではみなさま、次回もお会いしましょう!

編集部のづみたんでした。

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