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ブドウの整房(摘房、房つくり、敵粒)

公開日:2019.10.10

ブドウの越冬した1年枝の腋芽は混合花芽となって発芽し、生長した新梢に1~4花穂をつける。花穂の花序形態は総状花序の複合である総状円錐花序であり、花軸を中心に形成される花序を主穂といい、主穂の基部から分枝する副穂軸に形成される花序を副穂と呼ぶ。

副穂が大きいと、主穂に覆いかぶさるように突き出るので花穂の肩のように見立てて、これを岐肩と呼ぶこともある。主穂軸(花軸)から分枝した2次穂軸は第1花穂、第2花穂と順位をつけて呼ぶ。二次穂軸が主穂軸を中心に左右に分岐して先端に花をつけた様子が、車軸と車のように見立て、これを車と呼ぶこともある。ブドウの果実は子房が肥大して液果となった真果であって、漿果といい、小型の果実が房状につくので、個々の果実は果粒とよばれる。

生食用果実の生産を行う青果栽培では、消費需要に合った形の果房に仕上げる。そのために生育時期に応じて行う花房調整をブドウの整房または花穂整形という。整房の主要な作業には、花穂を切除する摘房と、花穂の2次穂軸の数を調節して形状と長さを調整する房つくり、果粒の間引きを行う摘粒がある。

摘房 花穂および果房を除去することで無駄な養分消費を抑えるとともに、種なし果(無核と呼ぶ)にするジベレリン処理や房づくりの省力化のために余分な花穂を切除することを摘房という。一般には開花前の房つくり時と結実後の摘粒時の2回行う。房づくり前の摘房の程度は、無核栽培は収穫目標の5割増しの果房数を、有種子果(有核と呼ぶ)栽培では2~3倍増しの房を残して、他の花穂を切る。開花後は最終目標の着房数になるように少しずつ摘房を行う。

房つくり 収穫時の果房の形や大きさを整えるために、花穂が開花した後に、副穂や岐肩を切り落とし、穂軸の長さが数㎝であって、二次穂軸の数が15程度になるように調節することを房つくりという。房型は、密着した円筒形に仕上げる。品種や樹勢によっては房尻を切り詰めたり、岐肩を利用する場合もある。

巨峰の有核栽培では満開2~3日前に房つくりを行い、穂軸長が7~8㎝で二次穂軸数を15~17程度とし、花穂先端は切る。無核栽培では花穂先端の切除が早すぎると花穂が伸びすぎるので、開花を始めた花穂から房つくりを行い、花穂先端の3・5~4㎝を残す。

摘粒 小果や不良果を除去し1果房当たりの果粒数を調節する作業を摘粒という。果粒の肥大と着色を図り、裂果の発生を防ぐ。果粒が大豆大になった頃から行い、有核栽培では有核粒と無核粒の区別がついた後に、無核栽培では2回目のジベレリン処理後に摘粒を行う。果粒肥大が良好な場合は、果実密着や裂果を防止するために、見直しの摘粒を行う。

ワイン醸造用果実の栽培では、摘房は1新梢に2果房程度とするが、房作りはしない。また適度な花振いを起こさせて、摘粒作業の省力を図る。収穫した果房は円錐形になる。

『農耕と園藝』2017年8月号より転載

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