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有核果と無核果

公開日:2019.10.31

被子植物は開花後に受粉・受精して胚が形成されると、胚を囲む種子ができ、その種子を包む子房が発達して果実になる。種子が形成されることなく子房が発達して果実になることもあり、この形質を「単為結果性」、その発現を「無核性がある」という。種子の生長にともなってできる果実を有種子果、種あり果および有核果という。種子形成をともなわないでできる果実を無種子果、種なし果および無核果という。核は「かく」および「さね」と呼ぶ。真根を意味する字であり、果実の中心部にある殻となかに入ったものを指し、種子を意味する。

有核果は種子のある果実を意味する場合と、果核を形成する核果を意味する場合がある。果実を構成する果皮は子房壁が発達したもので、外側の表皮とその内側の組織と、胚珠に面した側の組織とからなり、それぞれが外果皮、中果皮、内果皮となる。果実が成熟した時、果皮が肉質であるものを液果、果皮が乾燥するものを乾果と大別する。

液果に分類されるウメ、モモ、オウトウ、オリーブ、ナツメ、マンゴーなどの果皮は薄くて強い外果皮、多肉多汁の中果皮、堅い殻状の内果皮からなる。この硬質の内果皮を核、あるいは果核といい、果核を持つ液果を核果または石果という。果核を持つ乾果は堅果として分類されるが、これにはココヤシ、クルミ、アーモンド、ピスタチオなどがある。

無核性は種子や胚の発育が不完全であると誘導される。発育不全の原因は雌性器官や雄性器官の不稔性、両性器官の成熟時期が異なる、自家不和合性である、染色体数の違いによる減数分裂の異常などが挙げられる。

3倍体では染色体数の違いによる減数分裂の異常が胚発育の不全を起こして無核果を誘導するが、その例に自然発生で見出されたバナナとパンノキがあり、カキ品種「平核無」とその枝変わり「刀根早生」は栽培品種が3倍体化しており、ビワの品種「希房」は3倍体を人為的に育種、スイカの種子なしは人為的に4倍体と2倍体とを交配して作成した3倍体種子を播いて苗を作る。単為結果性の高い温州ミカンやカキの「次郎」、遺伝的に種子なしであるブドウの「ヒムロッドシードレス」などは子房内の植物ホルモンが多いために、種子がなくても子房が生長する。

単為結果性を持たない種では、植物生長調節剤処理で無核果を形成させる方法が見出されている。ブドウでは、適応品種の花房を開花前と満開後の2回、ジベレリン溶液へ浸漬することで、1回目で無核に2回目で果粒肥大を図る方式が確立している。対象品種の栽培では、調整剤を使用しない通常の栽培では有核果になり、植物調整剤を適用すると無核果になるので、栽培技術上は有核栽培と無核栽培とが存在する。ブドウは核果でなく漿果であり果核を形成しないが、種子は核であるので、有核や無核とも表現できる。しかし果実の搾汁後に取り出した種子は果核ではないので核と呼ぶべきではない。

『農耕と園藝』2017年11月号より転載

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