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川越ランデブー

づみたん
公開日:2019.9.12

こんにちは、づみたんです。

秋らしい風が吹きぬける季節になりましたね。気候もぐんと良くなってきたところで、私はずっと行ってみたかったある場所へ出掛けることにしました。

ということで! 本日は「とある日の川越」のお話でも。

埼玉県川越市は、観光地として年間約700万人が訪れる情緒あふれる街。

蔵づくりの城下町や歴史ある建造物などが多く建ち並び、清閑な雰囲気を味わいながらゆったりと散策を楽しむことができます。

川越城後である「本丸御殿」や縁結びでも有名な「氷川神社」、江戸時代から時を告げている川越のシンボル「時の鐘」など、風情ある見所が満載です。

氷川神社。風に揺れる風鈴が風流です。一文で「風」という文字を三回も使ってしまいました。
ユネスコ無形文化遺産でもある「*川越まつり」で使用される豪華絢爛な山車。普段はこのように町のいたるところで格納されているようです。ちなみに今年は10月19日(土)、20日(日)に開催予定! 小江戸川越が一年で最も盛り上がる時期、出掛けてみるのも良いかもしれません。
本丸御殿のサルスベリもきれいに咲いていました。

また、川越はサツマイモの産地としても有名で、至るところに食べ歩きスポットがあります。

栽培が盛んに行われるようになったのは、江戸時代のこと。サツマイモの栽培方法を確立した農業技術者の赤沢仁兵衛、通称「川越の甘藷先生」が、現在に通じる技術を見つけたことから、“川越イモ”の歴史がはじまります。

仁兵衛は1866年頃から、種イモの選び方や肥料のやり方、畝の立て方などに対し、「たくさんイモができる良い苗を選ぶ」、「畝を高くする」、「堆肥をたくさん入れる」というように、サツマイモを作る“コツ”を押さえた工程を確立していきました。1871年の調査では、仁兵衛氏の畑のみ、なんと他の畑の1.5~2倍の収穫量があったことも記録されています…!

また、その際の栽培方法「赤沢式」を惜しむことなく広め、1910年、73歳の時には「赤沢仁兵衛・実験甘藷栽培方法」というサツマイモ栽培に関する書物を残しました。こちらは、今も尚使われている技法であり、単位面積当たりの収量を誰でも3~5倍は増やせることから、いかに精度が高く素晴らしい内容だったのかがわかります。

イモ・クリ・カボチャをこよなく愛する私は、仁兵衛氏の功績に心の底から感謝しながら、サツマイモのお菓子を片っ端から堪能しました。ええ、そりゃあもう片っ端から(…食欲の秋)。

菓匠 右門の「いも恋」。サツマイモと小豆餡を山芋ともち粉の生地で包み蒸したお菓子。まろやかな風味が甘党にはたまりません…!

さて、そんな川越に以前からずっと気になっていたお店があります。

「斉藤牛蒡店(さいとうごぼうてん)」というのがその店の名前です。

販売しているのは……

 

 

 

 

 

きんぴら用のゴボウ、以上。

 

 

 

 

 

なんと潔い……!!!

惚れ惚れするような思い切りの良さです。

数ある和のお惣菜から、素朴で地味だけど味わい深いきんぴらをチョイスする辺り、一点突破型方式の中でもかなりのこだわりを感じます。

そう、私の本日の目的地は“きんぴら用のゴボウ”専門店。

加工用ゴボウがみっちり。

斉藤牛蒡店は、きんぴら一筋60年のお店です。

このお店の創業者であるご主人がゴボウの産地、埼玉県入間市のご出身だったことから、このこだわりのきんぴらゴボウ専門店をはじめられました。数年前にご主人が亡くなられてからは、奥さんと息子さんが後を継いでお店を続けているそう。

斉藤牛蒡店で扱うきんぴら用のゴボウはすべてピーラーで皮をむき、手作業で処理されています。手間暇かけて加工されたきんぴらたちは、味付け済みのものから自宅ですぐに調理可能な段階に仕上げられているもの、サイズも一般家庭用から食堂・レストラン向けの大容量までいろいろ。

私は調理前のゴボウを購入することにしました。

このたたずまい。素通りするほうがむずかしい、何とも気になる存在感です。
ちなみに斉藤牛蒡店のゴボウサイズは200円300円500円……とサイズ毎に陳列されています。
こじんまりとした店内の壁には、ゴボウにまつわる張り紙や近隣の小学校から寄せられた体験学習の感想文がありました。斉藤牛蒡店がさまざまな人々に愛され、支えられている様子が伺えます。
お土産に大量のきんぴら用ゴボウを買って帰りました。……嬉しくなって300円(総量400g)のきんぴらを買ってしまいました。が、果たして一人で食べきれるのでしょうか……。
早速帰って調理したきんぴらゴボウ。朝食は白米や玄米、お味噌汁と共に。お昼のお弁当にだってもちろん大活躍。夕食時にも欠かせません…!(訳:しばらくは毎食たべた)

加工済みの野菜は好みが分かれるものですが、斉藤牛蒡店のゴボウはとてもおいしくいただきました。

 

川越住民だけでなく、地域を越えて日本全国からたくさんのファンが訪れる斉藤牛蒡店。

これと決めたものを細く長い糸を紡ぐように続けるひたむきな姿に、心の中でエールを送りながら、私はお店を後にしたのでした。

 

ちなみに、川越に訪れたこの日は「丸広百貨店 川越店」の屋上で1968年から営業してきた遊園地「わんぱくランド」の閉園日。

店舗の耐震補強工事に併せた判断ということでしたが、真昼の日曜日は別れを惜しむ人々のノスタルジックな思いで包まれていました。

ありがとうわんぱくランド!ありがとう川越!……また来ます!!(初めて来た)

それでは、また次回お会いしましょう!

編集部のづみたんでした。

 

*「川越まつり」公式サイト
https://kawagoematsuri.jp/index.html

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