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夢と魔法の国の植物事情

公開日:2019.10.1 更新日: 2019.10.2

こんにちは、づみたんです。

今日から10月、すっかり秋めいてきましたね!

風の匂いや街路樹のちょっとした紅葉や陽が落ちるはやさで、季節の移ろいを感じているこの頃です

さて、そんな本日は「夢と魔法の国の植物」のお話でも!

先日、千葉県浦安市・舞浜にあるディズニーリゾートへ行ってきました。

ディズニーリゾートは、みなさまご存じの通り「東京ディズニーランド」「東京ディズニーシー」という異なるテーマを持った2つのディズニーテーマパークと、宿泊ホテル、複合型商業施設、リゾート内の移動に便利なモノレールなどで構成された、一大テーマリゾートです。

ディズニーリゾートには、多彩なアトラクションやシーズンごとのイベント、大好きなかわいいキャラクターに会いに行く、という人がほとんどだと思います。

現在は、ハロウィーンイベント真っ盛りで、パーク内はとても盛り上がっていました。

しかし。

そこは、農耕と園藝編集部。

カルチべスピリッツで臨む東京ディズニーリゾートは一味違います!!!

 

実は、ネズミーラン…東京ディズニーリゾートにはもう一つの愉しみ方があるのです……!

ディズニーリゾートの広大な敷地には、植物園に匹敵するほど、もしかすると日本最大の規模と言えるほどの多くの植物が育てられています。

その数なんと6000種、64万本。東京ディズニーランドだけでも200ヵ所の花壇があり、その総面積は5500㎡にものぼります。花壇に植えられる花は年間220種類、70万ポットにもなります。そんな植栽の様子を、今回はディズニーシーからちょっとだけご紹介しますね

白い花が満開を迎えているシマトネリコ。街路樹としても、よく街中で見かける樹ですが、こういった世界観に溶け込むとまた違った雰囲気に見えるから不思議ですね。
どこか妖艶なザクロです。とても元気で美しく、たくさんの実が生っていました。こちらはアラビアンナイトの世界観を表現したエリア、アラビアンコーストにて。
同じくアラビアンコースト内に咲くハナキリン。ビビッドな色味が美しい熱帯植物のなかでも、ここまでオリエンタルな雰囲気が似合う花はないかもしれません。
こちらはポートディスカバリーにて。アーント・ペグズ・ヴィレッジストア横の菜園では、約2週間毎に植え替えが行われています。品種によっては種から育てたり苗を植えたりして、季節感を演出しているそう。
現在はセルリーが生き生きと育っていました!
か、果樹農産物まで……!?と期待したいところですが、フェイクです。ちなみにこちらはロストリバーデルタという1930年代の古代文明の遺跡の発掘現場をテーマにしたエリア。中央アメリカの熱帯雨林がエリア内に再現されていて、パーク内で一番緑が多い場所です。
植物の趣きがアトラクションの世界観に、より一層の演出を醸し出してくれていますね…!探検家気分が高まります。そう、園藝探偵ならぬ園藝探検です。なんでもありません。
ハロウィーンの巨大カボチャが目を引きます。ずっしり感が魅力的……!
海の底を演出する植物までも……!?と思いましたが、フェイクでした。こちらのマーメイドラグーンエリア一体から海沿いに掛けては、塩害に強いクロマツの植栽が多く見られ、対策としての樹木の選定を感じることができます。

これらの草花を季節やイベントに合わせてコーディネートしているのは「緑のキャスト」と呼ばれる庭師の方々。

「植木専門」「花壇専門」「芝生専門」「散水管理専門」とチームに分かれて作業を行い、ディズニーランドとディズニーシーをあわせて約100人のスタッフがいるとのこと。もちろん、植物の買い付けや手入れ、鉢植えやハンギングバスケット、エリア毎のデザインなども行います。

品目の選定や育種に沿った植え替えも任されていて、病害虫の駆除、支柱交換点検作業も発生します。悪天候に見舞われた際には、チーム全体で団結し不眠不休で保全に努めるそう。

栽培技術や環境整備など、生産者や小売店・卸商、植物を見守る緑のキャストの方々による地道な支えがあることで、夢の国のファンタジー溢れる景観が作られているのですね。

コンセプトになぞらえた草花を育てたり、アトラクションの世界観にあわせた植物演出を行ったり、といった背景を知ることはもちろんですが、パーク内で植栽されたすべての植物が生き生きと育っているその様子を見るだけでも、心がほどけてゆくのがわかりました。

日々、「夢の国」と呼ばれる所以の根幹を支えているのは、木々や草花や、それらを支える方々が舞台裏で行っている並々ならぬ努力なのだと思うと、あの小さな世界にさまざまな人たちの大きな仕事が見えるのでした。

みなさまもアトラクションやショー、パレードなどの混雑で疲れてしまった際には、パーク内の植物にそっと目を向けてみてくださいね。

それでは、また次回お会いしましょう!

編集部のづみたんでした。

 

 

参考文献:Disney in Pocket 東京ディズニーリゾート植物ガイド(講談社)

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