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紙で持っていたい資料

だま
公開日:2019.10.11 更新日: 2019.10.25

みなさんこんにちは。
ブログの更新をすっかり忘れており、農業WEEK中にづみたんに怒られただまです。

今日は紙の冊子・本について、徒然なるままに書き散らしちゃいます(はやく書かないと、づみたんに叱られるー)。

インターネット・スマホが情報収集のツールとなっている現在、本をはじめとした紙に書かれた情報をわざわざ手に入れる人は減っているのではないでしょうか。

しかし、電子化されていなかったり、紙で持っていたいような貴重な資料に出会った時には、思わず小躍りしてしまうんですよ、これが。

先日「農耕と園藝」の連載・ニッポンの農業ざっくばらんに語るべし!! の取材で訪れた矢祭園芸の金澤美浩さんに、しびれる冊子をいただきました。

「全国新品種育成者の会 30周年記念誌」

全国新品種育成者の会会長である金澤さんによる「創立30周年を迎えて」を読みますと、この会の成り立ちがわかります。全国新品種育成者の会は昭和62年3月に関係者の熱意と使命感により設立された会で、一昨年に30周年を迎えられたそうです。種苗法に基づく品種登録制度が昭和53年に始まり、新品種の権利保護が法律化された時、植物新品種の権利の保護と民間育種の振興、そして種苗法の活用と普及を目的として、野菜やイチゴ、ブドウなどの育種に取り組む方々18名で立ち上げられたとのことです。現在では、会員数も増え、海外でも高く評価される品種を育種された会員も多いそうです。

この『全国新品種育成者の会 30周年記念誌』のどこがすごいのかといえば…日本で育種に取り組まれてきた一流の生産者(主に花、ブドウ)の仕事の一部がこの一冊にまとまっているのです!

品種をどのように生み出したのか育種の経緯、品種の成果、今後の展望が簡潔に書かれています。一般的に「品種」を誰がどう生み出したのかといったことは知られていません。知りたくても、手間をかけて調べないと正確な情報は入手できません。あるいは、調べた人がきちんとまとめて、紙に記して(印刷して)おかないと、ずっとあとの時間に生きる者に情報は届かないのです。

こういった周年・記念誌には、気軽に入手できない貴重な情報がきちんと整理された状態でまとまっています。それらは部数限定で印刷され、関係者にひっそり渡されるのです。たいていの周年・記念誌は一般発売されません。ここが難しいところで、入手できるかできないかは、日頃の行いと運次第です。今回は取材で金澤さんにお会いでき、しかも貴重な周年誌をご厚意でいただけて、いやあ、本当にワタクシはラッキーです。感謝の気持ちでいっぱいです。

ちなみに、花関係のみなさんは「金澤さんの記事のことをもっと書かないのか、だま!」と思われているかと思いますが、それは「農耕と園藝」冬号(11月23日発売)にてごらんください。花の育種技術を果樹や野菜にも活かしながら、産地形成に取り組まれる金澤さんと竹下大学さんがたっぷり語ってくださっています。

 

紙の冊子・本の話に戻りますね。
先出の周年誌に出会った翌日、私は玉川学園創立90周年記念特別展「ジョン・グールドの鳥類図譜」の展示を見に行ってきたのですが、ここでも小躍りしそうになる冊子を手に入れたのです。

まずはジョン・グールドは誰かというと、19世紀に活躍したイギリスの博物学者です。彼は、当時、珍しい動植物の標本展示が展示される際に、それらの詳細を記す博物画と標本の解説をまとめた美しい図譜を残しています。なかでも鳥類の図譜は、絵の美しさと学術的な内容から、現在でも貴重な資料として世界的に評価されています。

今回訪れた展示は、玉川大学教育博物館が所蔵するジョン・グールドの鳥類の図譜41巻と山階鳥類研究所より出品された3巻で、国内でグールドの鳥類図譜44巻が一堂に展示されるという特別展。博物画、鳥好きにはたまらない、美しい鳥たちの姿がかなり精密・正確に描かれた図譜を見ることができます。しかも図譜は実物大なので、どれもでかい! 展示に群がる人からは「ああ、これほしいね、でも、大きすぎて家に置く場所ないね」という声が聞こえてきました。それをうしろで聞きながら「サイズも大きいけど、購入費も巨額ですわ。かんたんに衝動買なんてできないから、家に置くこともなくてよ」とココロでつぶやく意地悪なワタクシ。

その展示の図録が販売されていました。鳥類図譜がこれでもか、という点数掲載。もちろんカラー。お値段なんと2000円! お買い得ですわよ、奥様!

美術館・博物館などで販売される図録は、専門家による解説とあわせて、一般書籍ではなかなか掲載が難しい絵画や写真、資料が惜しみなく掲載されています。もちろんいわゆる書店では販売されません。現地に足を運び、展示を楽しんで、最後に手に入れられるお宝です。図録をたくさん置いている古書店もありますが、基本的にはその場でなければ手に入らない貴重なもの(通販もありますが)。印刷の質も良いものが多く、興味があるものならば紙で持っていたいものです。

もちろん、入手が難しい印刷物だけでなく、商業的に売られている本も興味がある分野については、できるだけ手元に置いておきたいものです。みなさん「農耕と園藝」もちゃんと毎号買って、ご自身の書棚の仲間に入れてあげてくださいね。

商業出版は、出版不況といいながら、本の刊行点数はやたら多いために、世の中に出てはすぐに消える(書店の棚から)運命にあるタイトルがほとんです。私は新刊でほしい、と思ったらすぐに買うようにしています。なので趣味積読だったりしますが(汗。

本が短命で困るのが、人に本をおすすめする時です。いいな、読んでほしいな、と思っている本でも書店で入手するのが難しいものも結構あります。なんでそんな話をするかというと、実は今、ある書店さんの企画で「編集長がおすすめする関連分野の書籍」という棚用の選書をしているからです。

弊社には、「無線と実験」「天文ガイド」「子供の科学」といったいささかマニアックでコアなファンがいる媒体があります。これらの雑誌の編集長が選ぶ、その分野の書籍を選ぶフェアで「農耕と園藝」も選書を命じられたのです。

自宅の貧弱な書棚から農園芸分野の本を探しているのですが、これがなかなか…。農学部出身でもなく、読書傾向もバラバラなので、書店様、お客様が喜んでくれるようなものがあるような、ないような…。担当媒体分野の本といっても、あまり専門的になりすぎても都会の本屋さんでは売れないだろうし…どうしようかなあ、とこの数日、夜になるとあれでもないこれでもないと本を積み上げているのでした。

農園芸と関係ない本も積んで楽しんでいます。

ちなみにこのフェアは、三省堂書店神保町店5階にて12月25日〜2月末まで開催される予定です。お近くの方はぜひお運びください。

徒然なるままに、ずいぶん長くなってしまいました。きっとここまで読んだ人はあんまりいないでしょうね。長すぎて、またづみたんに怒られるかもしれません(づみ、恐ろしい子!)。

ではまた会う日まで、ごきげんよう!

 

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