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カルチべ取材班 現場参上

カルチべ取材班、野菜・花き種苗改善審査会へゆく④「業務用コマツナの部」を知りたい!

公開日:2019.10.28

みなさま、こんにちは!

本日のカルチベ取材班は、またまた『農耕と園藝』でもおなじみの、「野菜・花き種苗改善審査会」(東京都種苗会主催)の取り組みをお届けするため、東京都農林総合研究センターに現場参上しました。

今回は江戸川分場にお邪魔します!

台風19号の影響により開催が危ぶまれましたが、無事開催を迎えることが出来た審査会場にて。

今回も、前回の(カルチベ取材班、野菜・花き種苗改善審査会へゆく③ 「スイートコーンの部」を知りたい!)同様、今年で第61回を迎えた歴史ある審査会の様子をお伝えして参ります。

今回初!「業務用コマツナ」を知る

みなさまご存知のとおり、野菜・花き種苗改善審査会は、毎年東京都農業総合研究センター立川本場および江戸川分場で開催されている由緒正しい審査会。品種や栽培品目、栽培技術の向上などに役立てられます。

そして、そんな本審査会で今回対象となるのは、今回初の審査品目として選ばれた「業務用コマツナ」です。

青々とした業務用コマツナがズラリ!

業務用としてのコマツナは、通常の生食用とは異なった審査基準を要します。

初めての品目がテーマとなることもあり、今回はいつも以上に審査が困難を極めそうな予感がしますが……

業務用コマツナの栽培概要と生育経過

さて、そんな今回の審査対象品目である業務用コマツナの出品点数は、全部で25点(内、参考出品4点)。

詳しい栽培概要は、以下の通りです。

[耕種概要]

  1. 供試圃場 当場赤土客土UVカットハウス 2棟 前作:ソルゴー(8月上旬抜取り)
  2. 施肥等 基肥:N-P2O5-K2Oを成分量で7-5-5㎏/10a
  3. 区制 1.68㎡の2連制(1区当たりベット長2.1mの130株±5株)
  4. 播種 9月9日(月)
  5. 栽植密度 ベット幅80cm5条播き 条間14cm 株間8cm(1穴2粒播種)業務用コマツナとして草丈35cmでの収穫を想定し、株間を8cmとしました。また、株数を確保するため、5条播きとしました。
  6. 調整 9月20日(播種後11日)に1穴1本に調整
  7. 温度管理 パイプハウスの妻面入口とサイド面に1mm目合いの防虫ネットを展張しました。妻面とサイドは昼間に開放し、雨天時に閉鎖しました。
  8. 潅水 9月9日(播種時)と9月15日、20日、26日、29日と10月5日に潅水しました。
  9. 病害虫防除 東京都病害虫防除指針に基づいて薬剤を施用

生育期間:9月14日 スピノエース顆粒水和剤

     9月16日 スタークル顆粒水溶剤 

     9月21日 モスピラン顆粒水溶

     9月27日 スラゴ

     9月28日 コテツフロアブル

     10月7日 アクセルフロアブル

     10月10日 スラゴ

[生育経過の概要]

  1. 気温は平年と比べ、9月中旬はやや低く、他は高くなりました。降水量は台風による豪雨や局地的豪雨があり、土壌水分はやや高く推移しました。日照時間はやや多かったのですが、出芽期にあたる9月第3半旬は少なく、胚軸がやや長くなるものが見られました。また、生育途中の9月中旬、西風が強くハウスの西側で草丈の伸長が鈍るものが見られたましたが、その後伸長の差は小さくなりました。
  2. シャーレでの発芽率が86%とやや低いものもあったのですが、圃場での出芽率(2粒播種)は3日目で99%と問題はありませんでした。出芽率は5日目で全品種が96%以上となりました。
  3. 生育期間中、キスジノミハムシとコナジラミが見られたが、被害はありませんでした。土壌が湿っている期間が長かったためか、ナメクジ・カタツムリと考えられる食害が認められました。
  4. 播種日から本審査までの日数は36日でした。

[収穫方法]

  • 5条の内、中央株で端から6列目の株から20株を収穫し、小さい株も対象としました。胚軸を鋏で切り取り、収穫しました。
  • 調整は、子葉節で切り、子葉、小葉、小葉、黄化した葉、大きく開いた葉を除去しました。
  • 収穫した20株で草丈が中央の10株の重量を計量しました。

[展示方法]

  • ラベルを左上に置きます。
  • 下段に左から右へ大きい順に8株並べます。大きい方から9番目は冗談に並べ、左から右へ大きい順に12株並べます。異株は最後に並べます。
  • 株本を揃えます。
  • 中央の10株を計量し、10株量をラベルの下に書き出します。
    1区~2区に渡る審査圃場から、全25品種の業務用コマツナを一気に並べて行きます。こちらもかなり根気と手間のかかる作業。全員で協力しながら進めていきます。

    審査対象のコマツナが乾燥しないための工夫も。

展示審査・食味審査・重量計測へ

今回の審査会では、展示審査・食味審査、そして業務用コマツナならではともいえる重量の計測など、取引する上でポイントとなる観点も加味して審査が行われます。

審査員のみなさんは細かく審査基準を見据えてチェックしていきます。

結果発表

さて、いよいよ気になる業務用コマツナの部の審査結果が発表されました。各審査の総合点数を踏まえて、今回の審査はご覧のとおりの結果となりました。

[審査成績表]

Ⅰ等 1位 MS-1243 ㈱武蔵野種苗園   

Ⅱ等 2位 MS-1288 ㈱武蔵野種苗園   

Ⅱ等 3位 MKS-G002 みかど協和㈱    

Ⅲ等 4位 K-37 ㈱日本農林社   

Ⅲ等 5位 風のかおり みかど協和㈱    

Ⅲ等 6位 No.1188 タキイ種苗㈱関東支社  

Ⅲ等 7位 ひと夏の恋 ㈱日本農林社    

品目への探求と更なる栽培技術の向上

今回も、以上の結果と講評をもって、審査会は無事終了となりました。

各メーカー同士が切磋琢磨し、意見交換や情報共有が行われる場として毎年開催されている野菜・花卉種苗改善審査会。

 

この秋の第61回 野菜・花き種苗改善審査会では、「秋まきホウレンソウ」や「パンジーなど、まだまだ続々と最新情報をお届けします。

また、今回の「業務用コマツナの部」の審査講評については、本誌「農耕と園藝 冬号」(2019年11月23日発売)にて詳しい内容を掲載いたします。

こちらもぜひお見逃しなく。

 

それでは、次回の「カルチベ取材班 現場参上」お楽しみに!

 

 

 

協力/東京都農業総合研究センター江戸川本場
取材・文/編集部

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