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点と点を繋ぐ

公開日:2019.10.31

こんにちは、づみたんです。

本日で10月も終わりですね!

秋から冬へと季節が進む毎に、毎朝ベッドから抜け出しにくくなっているのが最近の悩み。日増しに寒くなっていく年末、年の瀬を迎える頃の冷え込みを考えただけで気が遠くなりそうです。

さて、そんな本日は、週末に出掛けた「秋の浜焼き遠足」のお話でも。

先週末、チームカルチべと社内の有志で「秋の浜焼き遠足」in千葉・房総エリアへ行ってきました。

本来は「暑気払いをしよう!」という名目で真夏に立ち上がった企画。しかし、あれよあれよという間に秋になり、気づけば冬はすぐそこ。

そんなとき、一連の台風が訪れました。

いろいろと悩むところもありましたが、「行くなら今!がんばろう千葉!」を合言葉に決行された秋の浜焼き遠足。

日の主なスケジュールはこちらです。

【秋の浜焼き遠足スケジュール】 

  • 新宿駅 集合・出発!
  • 見学ができる養蜂場の「はちみつ工房」さんへ
  • 燈籠坂大師の霧通し隧道を散策
  • おいしい海の幸&山の幸、いざ海鮮浜焼き!
  • くりーむパンで有名な「八天堂きさらづ」さんへ
  • 三井アウトレットパーク木更津でお買いもの
  • coming soon…
朝8時に新宿駅を出発し、いつの間にか窓の外には海が。この日は気温が25℃まで上昇するほどの快晴。移動中は晴れた空が映る房総の海が印象的でした。

そして、もう一つ、海の青とは違う、屋根を覆う無数のブルーシートの人工的な青色が私の目に焼き付いて離れませんでした。

「焼き付いて離れない」なんて手垢のついた表現で綴るのはどこか憚られるものですが、翌日に見た夢のなかに出てきた“チラチラと反射する青色の物体”が『昨日見たブルーシート』だと気が付くまでに時間が掛かった私にとって、今その言葉に代わりうるのは「こびりついて離れない」くらいなのでした。

そして、その青色はTVやWEBメディアなど、何かしらの媒体を通してどれだけ目にしていたとしても、自分の瞳に直接映したものにはかなわないのだと、鮮烈なインパクトを持って教えてくれました。

ほぼ全域にわたってブルーシートが掛けられた家が点在している地域はこの一帯だけではないこと、今回特に顕著な台風被害の課題として、屋根に穴が開いて生活に支障が出ていたとしても区分上は全壊でもなく半壊でもなく「一部損壊」になってしまうこと、台風による農業被害を受けたハウスを撤去して新設する必要のほか、来シーズンの播種も追いつかない生産者さんがたくさんいることなどが連鎖的に頭のなかをめぐり、なんとも言えない思いに駆られました。

また、これからの復興を目指す上で、千葉県の農業は大きな市場がすぐ隣にあることで政府や行政の支援がなくても事業が成立していた、という広域連携および中央地域連携に対する課題もあります。

散らばった問題を一つひとつ拾い集めていくほかありませんが、そのために私たちには一体何ができるのでしょうか。もちろん千葉県だけではありません。多くの都道府県に点在している問題も、その解決策も、すべては一本の線で繋がっています。

点々と見える青色を追う内に、私たちは最初の目的地に到着しました。

 

まず訪れたのは、千葉県君津市にある見学ができる養蜂場の「はちみつ工房」さん。たくさんの田んぼや農家があり、地元の食材を活かそうという試みが盛んに行われている皿引エリアに位置します。

また、房総エリア全体は言わずと知れた花の大産地であり、たくさんの花卉農家さんも存在しています。

ここではハチミツの試食や、養蜂知識を得られるほか、お買いものなども楽しめます。スタッフの方が持つハチの巣は、見事なハニカム構造に!
この日は前日の大雨から一転、お天気に恵まれたためハチのご機嫌も元気もとっても良いとのこと。天候条件や環境要因によって、人を刺す確率も左右されるそうです。
私はお土産に「そば蜜」と「百花蜜」のハチミツを購入しました。「そば蜜」は非常に香り高く、黒糖のような濃厚な味わい!「百花蜜」は花の香りが口いっぱいに広がる、風味豊かで懐かしい甘さでした。

さて、お次はここ数年、SNSなどの拡散力によって観光地として人気が出始めたスポットへ移動します。

思わずだま編集長もスマホを構える絶景ポイント!

ここは「燈籠坂大師ゆかりの霧通し隧道」。

千葉県富津市の竹岡と萩生を結ぶ国道127号城山トンネルの南側にあるこちらの隧道は、高さ約10メートル。前後にある切り通しによって、さらに高さを感じます。

隧道の完成は明治から大正にかけてと推測されています。なんでも、住民が鋸山の石切の技法で掘ったそう。隧道を通り抜けると、燈籠の並ぶ82段の階段があり、それを上ると「燈籠坂大師」があります。弘法大師が腰を休めた場所として伝わり、岩に自画像を刻んだと言われる場所に地域住民が大師の徳を慕って常夜灯を点灯し、海の安全を祈願したことが地名の由来となっています。

手彫りの隧道は凝灰質の砂岩でできているそうで、触ってみるとしっかりとそのざらざらとした感触が伝わってきました。この日は台風19号の影響により、残念ながら燈籠の並ぶ奥の方の道まで進めなかったものの、周辺の自然に触れるだけでも圧巻でした。

どこか不思議な街にでも繋がっていそうな雰囲気。某ジブリ感満載の景色が広がります。
ここはちょうど「南房総国定公園区域境界」。

内房の観光地をどのように地域振興に繋げるかが課題ではありますが、拠点毎の良さをPRしつつ、この土地の見所に触れる機会を上手く作ることができれば、さらに人を呼び込めるエリアへと発展するのではないかと感じました。

 

さて、たくさん散策してお腹が空いたところで、念願の「海鮮浜焼き」のお時間です!

千葉県で穫れた新鮮な海の幸!そして山の幸!
はまぐりとサザエと生ビール。それさえあれば、気を落とすことはないとかゲーテも言っていたような、言っていないような…。
この日の浜焼き会場には、房州ビワを使用した「ビワハイボール」もありましたよ!

浜焼きを行った会場の「浜焼市場きよっぱち」さんでは、こんなポップを見かけました。

「いちごの苗を助けて下さい。来春のいちご狩りが危機的状況です。」

各地でのイチゴ農家さんの被害は毎日のように耳にしていますが、やはり間近に感じてみると言葉では表せぬ思いがしました。

来年の春やこれからの季節のために、今、私たちができることは何でしょうか。

ボランティア活動や復興に繋がる取り組みを通し、この地に多くの人々が駆けつけている現状について、もっと知りたいと思いました。そして「カルチべ」や「農耕と園藝」でも、生産者さんの現状をもっと取り上げて行くことができればと思います。

おみやげに購入した「房州びわ」のシロップ漬け。朝食のヨーグルトに入れて食べたいと思います。

千葉県・房州のビワは栽培開始から260年、江戸時代からの歴史があります。この一帯は、栽培開始以来独自の品種改良をして、大粒で果肉たっぷりのおいしいビワを作り続けてきました。

また、収獲期間の短いビワを年間で楽しめるように加工品販売にも力を入れていることも特徴。「房州びわゼリー」を始め、ビワの缶詰や、ジャム、アイス、シャンプーなど、日々さまざまな6次産業化に挑戦しています。

 

さて、お土産を購入したチームカルチべ一行は次なる場所へ。

こちらはくりーむパンでも有名な「八天堂きさらづ」さん。

実は以前、『農耕と園藝』の連載を担当するデザイナーに差し入れでもらったときから、私は「くりーむパン」の大ファンです。

工房ではくりーむパンができるまでの様子をじっくりと見ることが出来ました。自身を「カスタードクリームの原理主義者」と豪語するノビーも大歓喜。

また、こちらの施設には実際の店舗もあったので、もちろんくりーむパンをお土産に買って帰りました。

ちなみに八天堂さんの「くりーむパン」のくりーむは、「クリーム」ではなく「くりーむ」です。 ここ、テストに出ます。

 

さてさて、たのしかった1日も、あっという間に暮れていきます。

この日の移動距離は約300Km

目的は、がんばろう千葉。

帰路ではすでに「冬の温泉遠足計画」の話題が。さすが弊社のクリエイティブチーム、仕事が早い…!

これからの農業を考える上で、解決しなくてはならない問題や、早急な対応策が求められる課題の解決はまだまだこれから。

「カルチべ」も「農耕と園藝」も、農家によりそうWEBサイト、そして長きにわたって営利農業を追求する業界誌として、末永く生産者のみなさまと同じ世界を見つめて走り続けていくことができればと思います。

改めまして、被災されたみなさまには、心よりお見舞い申し上げますとともに一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

 

おまけの一枚。

うちの編集長、かっこ良すぎませんか………!!!

 

それでは、また次回お会いしましょう!

編集部のづみたんでした。

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