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庭木の人工樹形

公開日:2019.11.28

樹木を整枝せん定し、人工的に形作る樹形を総称して人工樹形、あるいは仕立て樹形と言う。単に人工樹形と言うと、庭木の仕立て樹形を意味する。この樹形には、主幹と主枝とで構成する形の美しさと、一定の形に仕立てた樹冠の美しさを強調する型とがある。

主幹仕立て:主幹の形から直幹、双幹(相生形)、曲幹、斜幹がある。斜幹の特殊なものに門の屋根にかぶさるように配置する門かぶり形、地表を覆うように植える野梅の臥竜梅がある。

萌芽仕立て:武者立ち(多幹仕立て)、寸胴切り、枝吹きがある。武者立ちは主幹の地際から3本以上の幹を立てるもので、適用樹種にスギ、カヤ、ヒバ類、イチョウがある。ずんどとは切断した主幹や主枝から直接、枝葉を茂らせる仕立てで、出芽力の強い常緑広葉樹のシイ、カシ、クス、モチノキを用いる。枝吹きは主枝を切り戻して、多数の細枝を吹かせて枝葉の群れを木全体に配置する方法で、アセビ、サルスベリ、モチノキ、コブシ、モクレンを用いる。

わい性仕立て:庭木ではかむろ(禿)仕立てと言う。かむろはおかっぱ頭の髪型を示し、これに似た樹冠を作り、低樹高に仕立てる。かむろマツはクロマツで仕立てる。

枝垂れ仕立て:ヤナギ、ウメ、サクラ、クワ、モモ、マツの枝垂れ性変種を使い、主幹の上部に長い枝を出させて下垂れさせる。

たな仕立て:棚までの幹立ちを人の背丈程度にとり、棚に枝葉を誘引する。

刈り込み仕立て:玉物(丸物)、円筒形、角形、象形刈り込み、車作り、トピアリーがある。玉物(丸物)は球形や半球形に刈り込んだ仕立てで、イヌツゲ、マサキ、ツツジ類、ヒバ類を用いる。円筒形や角形にはモクセイ類、ヒイラギ、アカメモチ、ヒバ類を、円錐形には針葉樹を用いる。象形刈り込みではカメ、ツル、鐘、舟などの多様な形を作る。車作りは主枝を放射状に等間隔に配置し、数層の円盤状の樹冠を作って車輪のように見せ、木全体では車と見せる仕立てを言う。トピアリーは、洋風庭園で使われる幾何学的図形や動物を象形化した仕立てを言う。

葉群仕立て:玉作り、玉散らし、段作り、貝作りがある。主枝の枝葉を枝先に群がらせた状態の玉物に仕立て、玉を幹の近くに配置すると玉作り、周りに散らしたように配置すれば玉散らしと言う。段作りは玉の形状を統一し、木全体に規則的に配置し、貝作りでは貝殻のような扁平な玉を配置する場合を言う。 イヌツゲ、マキ、モチノキ、ヒバ類を用いる。

寄せ植え仕立て:同一種や異種の樹種を寄せ植えし、玉物や象形的なものを作る仕立てを寄せ植え仕立てと言う。山などを模した大面積の寄せ植え仕立ては、大模様刈り込みあるいは大刈り込みと言う。生垣もこの刈り込み仕立てである。

 

『農耕と園藝』2013年3月号より転載

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