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盆栽樹形

公開日:2019.12.5 更新日: 2019.10.11

盆栽に仕立てた樹木は、わい化した樹姿になり、その樹形を盆栽樹形と言う。盆栽樹形名には、樹形や樹姿だけでなく、仕立て方や幹および根の特殊な形態の呼び名も用いられている。

1 樹形や幹の数による盆栽樹形
直幹:幹が直立した1本立ちで、上部は細くなる樹形。
模様木:幹に自然な曲がりが前後左右にある樹形。
斜幹:幹が左右いずれか一方に傾いている樹形で、強風で傾いて育った木を表現する。
吹き流し:幹の傾きが斜幹よりも大きく、枝は傾いている方向になびいている樹形を、特に吹き流しと呼ぶ。
懸崖と半懸崖:幹や枝を大きく曲げて下垂させ、枝先が根元より下方にある樹形を懸崖という。下垂の程度が小さく、枝先が根元ぐらいにあるものは半懸崖と言う。断崖にある老木が幹や枝を下垂させて育つ様を表現する。
単幹、双幹、多幹:仕立てた盆栽の幹が一本だけのものを単幹と言い、根元から二本に立ち上がると双幹という。太い方は親幹(主幹)、細い方を子幹(従幹)と呼ぶ。三本立ちは三幹という。五本以上は多幹と言い、株立ち、根連なり、筏吹きがある。
株立ち:数本から数十本の幹が、同一株から群立する樹形を株立ちあるいは武者立ちという。自然の状態で育つとき、樹種によっては株立ち状になるものがあり、この姿を表現する。
根連なりと筏吹き:倒木が埋もれて、その枝が地上で幹のように育った姿を想定した樹形として、根連なりと筏吹きとがある。多数の幹が個々に立ち、根元が連なっているものを根連なり、倒れた幹が根の役割を果たしているものを筏吹きと呼ぶ。

2 仕立て方と異形に由来する盆栽樹形
寄せ植え:数本から十数本の樹木を植え込んだ仕立てを寄せ植えと言い、林の景色を表現する。
石付け:石に樹を植えて断崖絶壁に生育する姿を表す。石に穴や溝を作り、そこに植物を植え付けて根を張らせる「石植え石付き」と、石植えの木の根が鉢土にまで達している「盆上石付き」とがある。
根上がり:根が地表に浮き上がっている樹を根上がりと言う。斜面に育つ樹木にみられる姿を写す。
文人木:細い枝幹で柔らかい曲線の模様木に仕立て、優雅で洒脱と感じさせる樹姿にした樹形を文人木または文人仕立てと言う。風雅を好む文人向きと見立てた樹形である。
蟠幹:幹は単幹で曲がりくねり、根元近くは岩のように太く、奇形に育った樹を写した樹形を蟠幹と言う。渦状に曲がるとか蛇がとぐろを巻くという意味の『わだかまる』の字が付けられている。
神付きと舎利幹:枯れ枝の木質部が露出して白骨のようになると、神と呼ぶ。幹に神を作ると舎利幹と言う。舎利は骨を意味する。

『農耕と園藝』2013年4月号より転載

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