農耕と園藝 online カルチべ

生産から流通まで、
農家によりそうWEBサイト

なるほど園芸用語

忌み枝

公開日:2019.12.19 更新日: 2019.12.25

盆栽を仕立てる際に、樹形の美しさを損なう調和のとりにくい枝は、せん定か矯正されるべき枝として扱い、嫌われている枝という意味を込めて忌み枝と総称される。庭木の整姿においても、樹形を乱す不自然な枝や、他の枝への日当たりや風通りを不良にして樹の生長を妨げるような枝を忌み枝と総称し、せん定除去すべき枝として扱う。忌み枝とは逆である有用な枝は役枝と呼び、盆栽樹形を構成する主要な枝が役枝と呼ばれる。
忌み枝とされる枝の種類には、以下のものがある。
枯れ枝:枯れた枝は見た目が悪いので切る。
徒長枝:飛び枝とも言い、トビの名で慣用される。他の枝に比べて、節間が広くてまっすぐに伸びて飛び出した枝を言う。特に強い徒長枝は鬼枝と言う。普通は切り取る。
立ち枝:横に広がるべき枝や幹の部位から、直立して伸びた枝を言う。幹から出て幹と同じ方向に伸びる枝と、主枝から垂直に立ちあがるものとがある。
胴吹き枝:幹吹き枝とも言う。幹から直接伸び出た枝で、細かく多数の枝が出る。樹形を乱し、他の枝葉との栄養の競合により樹を衰弱させる。
ヒコバエ:ヤゴあるいは元吹き枝とも言う。樹の根元から出る細い枝で、樹形を乱し、樹を弱らせる。枝の付け根から切る。ただし、ツツジ類のように株立ち性である樹種は、この例にあたらない。
懐枝:樹幹に近い懐部分に出る枝を言い、通風や採光の妨げになる。①大きな枝の間に挟まっている枝 ②腹枝といい、幹の曲がりの内側にある枝 ③小枝の中に隠れている、特に小さな枝などを総称して、懐枝と言う。
逆さ枝:自然な枝の流れとは逆方向に伸びた枝を言う。また、戻り枝は外に向かって伸びた枝が、途中から逆に戻って伸びた枝を言う。
重なり枝:平行枝とも言う。複数の枝が同じ方向に平行に伸びたもので、他の枝との関係を見てどちらか一方を切り取る。
かんぬき枝:2本の枝が樹幹を挟んで左右対称に伸び、門の締め具であるかんぬきに似る枝を言う。他の枝との振り合いを見て一枝を残す。
車枝:1ヵ所から3本以上の枝が放射状に出るものを言う。車枝が出ると樹形の調和が取れないばかりでなく、車枝の出ている部位の幹が異常に太り、その上部の幹や枝の生長が弱る。車枝は枝の振り合いを見て一枝を残す。
絡み枝:枝が交差するような形に伸びたものを言う。交差枝のうちで枝と幹、枝と枝が絡み合っているように見える場合は絡み枝と言う。
垂れ枝:下がり枝あるいは落ち枝とも言う。下方に向かって伸び、垂直に垂れ下がる枝を言う。幹と主枝から伸びて垂れ下がるものがある。

『農耕と園藝』2013年6月号より転載

この記事をシェア