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リンゴの名前を知ること

づみたん
公開日:2019.12.24

こんにちは、づみたんです。

今年のクリスマスイブはだいぶぽかぽかとしていますね!

みなさまいかがお過ごしですか?

さて、そんな本日は「リンゴの名前を知ること」のお話でも。

 

それは、今年のはじめのこと。

奥州市江刺区のリンゴ農家の「紅果園」さんを『農耕と園藝20192月号』の人気連載「生産現場へGO!」で紹介させていただきました。

紅果園さんは、岩手県産りんごを牽引する存在として、ロマンシリーズ(紅ロマン、ゴールドロマン、奥州ロマン、藤原ロマン)の育種を成功させた高野卓郎(たかお)さんが会長を務める農家さんです。

現在は、息子である豪(つよし)さんと奥様の寛子さんが園主として経営をされています。江刺産リンゴは、岩手県産のリンゴのなかでもブランド化され、毎年トップクラスの人気を誇り、初セリの出荷にも欠かせません。

そんな江刺産のリンゴですが、実は私、生まれたときからずっと口にしていたということに、最近気が付きました。

毎年、岩手県出身の祖母からもらっていたリンゴは紅果園さんをはじめとした、篤農家の方々の徹底した栽培・育種によって作られた奥州市のものだったのです。

自宅で見つけた江刺産リンゴ箱の一部。
お世話になった紅果園・高野さんのお名前も。

ずっと見てきたのに、大人になって、編集者になって、私にとって「おばあちゃんの味」のひとつだったあの“リンゴ”と、もう一度出会う日が来るとは……!

「リンゴ」をただただおいしく食べていた私は残念ながらもういません。代わりに「リンゴ」という品目に、さまざまな品種があり、代表産地があり、こだわりの栽培技術があることを知る私がいます。

きっと「何かを知る」というのは、世界が広がっていくことだと思います。それは、知識だけではなく、技術や文化を伴い、私たちの生活を豊かにしてくれることです。この頃はたとえ見えている世界が同じでも、ぬりえのように、世界の色がどんどん増えていくような感覚が、なんでもない毎日もたのしいと思える理由のひとつなのではないかと感じます。

子ども時代に見えていた世界と、大人になってから見えている世界を比較すると、リンゴひとつを通して見てもこんなにも違うなんて、人々の生業はなんて奥が深いのでしょうか。「知りたい」を知るために生きていたら、何万年呼吸を続けても足りないような気がしてしまいます。

私たちがおいしいと思って食べている農産物を食べるまでに、どのような生産者の方がどのような栽培を経て、その品目を届けてくれているのか。私たちが好きだと思って取り寄せているあの品種は、どうやって生まれてきたのか、その経緯や技術の仕組みはどうなっているのか。

それを伝えていくことは誰かの世界を広げることにも繋がるのかもしれない、そしてそれが「自分の仕事で誰かを幸せにする(あるいはそのお手伝いをする)」ということなのではないのか。そう思うと、また違う何かが見える気がするのでした。

だから、来年は今よりももっともっと現場に出て、一つひとつの物事をかみしめて、より多くの出逢いに名前を付けて、みなさまにお届けしていきたいと思います。

とうとうと語ってしまいましたが、何といってもリンゴはやっぱりおいしい!!

みなさま、今年一年大変お世話になりました。

2020年もどうぞよろしくお願いいたします。どうかよいお年をお迎えくださいませ。

それでは、また来年お会いしましょう! 編集部のづみたんでした。

 

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