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乾燥野菜

公開日:2020.1.2 更新日: 2019.11.11

天日乾燥によって徐々に乾燥させることで特有の風味が生じた野菜の乾物や、人工乾燥によって野菜の水分を極度に少なくして長期間の貯蔵を可能にした乾燥品、および短時間に干して水分を少なくした干し野菜と呼ぶ半乾燥品などを総称して乾燥野菜と言う。

刻んでそのまま乾燥させると異臭や変色を生じる場合は、短時間の熱処理を行った後に乾燥させる。この処理はブランチングと言い、野菜のなかの酸化酵素を不活性にする。乾物でない乾燥野菜は、水で戻した時、生鮮時の原形に戻ることが望ましく、凍結乾燥品が優れる。以下に乾物としての乾燥野菜を挙げる。

切り干し大根:種々の形に切って干した大根を切り干し大根と言う。切り干し大根は形によって、千切り干し、小口に刻んだ花丸切り干し、大根の尻尾をつけて縦に4つに割った割干し、切り落とさない程度に端から交互に輪切りにして干した提灯切り干しなどがある。

凍み大根:極寒の地では天然の凍結乾燥によって切り干し大根ができ、これを凍み大根と言う。軒下に干した凍みた大根が、夜間には凍結し日中には溶けることを繰り返すことで、凍結乾燥が進む。

干瓢:ユウガオの果実は瓢と言う。干瓢は肥大した瓢の中果皮をテープ状に薄く削り、天日で乾燥させたものである。完熟の瓢は果皮を乾燥させて、容器などに加工される。

蒸し切り干しサツマイモ:「かんそういも」あるいは「いもするめ」とも呼ぶ。原料サツマイモを蒸し上げ、竹べらや包丁で皮をむく。放冷したいもをピアノ線を並べて張ってある切断機に縦に通して、厚さ6〜7㎜のスライスにし、網の上に並べて、天日干しにする。

菊のり:黄色菊の品種「阿房宮」の花弁を摘んでせいろで蒸し、これをむしろなどに広げて海苔の形にして、陰干しにする。さらに室内で吊り干しにして仕上げる。

干しワラビ:生ワラビを煮て木灰をまぶし、むしろに広げて乾燥させる。木灰はワラビの水分を吸収し、傷みを防いで乾燥を速める。

干しゼンマイ:生ゼンマイを木灰の入った熱湯で煮沸し、水洗いした後に、すのこの上に広げて乾燥させ、ゼンマイを揉んで仕上げる。天日乾燥品を赤干しと言い、火力乾燥品は早くに仕上がり青味が残ることから青干しという。

干しズイキ:里芋のなかでえぐ味の少ない葉柄の外皮を剥いで、天日乾燥させたものが干しズイキで、いもがらとも言う。品種「八つ頭」の葉柄が多く利用され、赤紫色と淡緑色とがある。

干しシイタケ:生シイタケの「どんこ」と呼ばれる種類が、主に干しシイタケの材料にされる。良品は熱風送風による人工乾燥で作られる。

 

『農耕と園藝』2013年9月号より転載

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