農耕と園藝 online カルチべ

生産から流通まで、
農家によりそうWEBサイト

カルチべ取材班 現場参上

『アグロ・イノベーション2019』へ行ってきました!

公開日:2019.12.4

本日のカルチべ取材班は2019年11月20日(水)~11月22日(金)まで東京ビッグサイトで開催された「アグロイノベーション2019」の会場へ現場参上しました!

アグロイノベーションとは?

みなさまご存じの通り、アグロ・イノベーションは、日本の農業ビジネスのバリューチェーン全体に関連する最先端技術と製品を展示する専門展示会として、毎年東京・九州(福岡)で開催されています。主に、農業生産・収穫・加工・流通までの幅広い分野を網羅し、農業界の生産性改革、流通改革を支援する機会を創出することを目的としています。

また、同時開催には「鳥獣対策・ジビエ利活用展」や「草刈り・除草ワールド」、「フローラル・イノベーション」や「野菜・果物ワールド」など、さまざまな研究成果の発表や資材の紹介、料理コンテストといった体験型コーナーの設置や全4会場での充実したセミナープログラムなども行われています。

それでは、これからの時期必須となる鳥獣害対策とジビエ情報、そしてカルチべ取材班が気になったブースを中心に、早速会場の様子をリポートいたします!

ジビエの利活用と需要拡大のための「ジビエ料理ライブ教室」開催!

「鳥獣対策・ジビエ利活用展」エリアでは、全国の外食店などにおけるジビエの利活用と、需要の拡大を目的としたオリジナルメニューの販売などを中心に紹介。

なかでも、一般社団法人日本フードサービス協会主催の全国ジビエフェア特別イベント「ジビエ料理ライブ教室」(農林水産省 全国ジビエプロモーション)では、国内を代表する外食チェーンの商品開発担当者の調理実演を行い、大いに盛り上がりを見せていました。

特にファーストフードや居酒屋など、さまざまな外食店ですぐに実践できるジビエメニューのヒントや調理のオススメポイントを提供する場面では、会場内のお客さんも興味津々かつ真剣な面持ちでステージを見つめていました。

料理ライブステージは、常に多くの人でにぎわっていました!
近くのブースでは、「くくり罠、箱罠の正しい設置の仕方と安全な止め刺しを学ぼう!」と題して、無料で罠設置のミニ講習会も行われていました。指導はプロからアマまで35年以上、累計7千人の実績を誇る「三生塾」(佐賀県)が“自然と共生”をテーマにアドバイスします。
みなさん一点に集中!捕獲機の本格的技術を身につけたい方には見逃せないレクチャーですね。
協力<農林水産省 全国プロモーション事業>

人手不足やコスト削減、ジビエ料理にも大活躍の調理機器

操作が簡単なスタンダードモデルから理想の仕上がりを追求できるハイグレードモデルまで、目的に合わせて選ぶことができるクックエブリオ。

大量調理にもおいしさ作りの味方にもなるスチームコンベクションオーブン「クックエブリオ」を展開しているホシザキ株式会社。

厨房環境や条件に合わせて選べるクックエブリオシリーズは、水蒸気を使用した「スチームモード」のよって蒸気発生器から水蒸気を庫内へ均等に送り込み、低温から高温まで調理に合わせた細かな温度設定が可能です。

また、熱風を駆使した「ホットエアーモード」では、庫内に送り込んだ熱風を対流させて加熱。均等に加熱できるので焼きムラも少なく、仕上がります。

最後に水蒸気と熱風を組み合わせた「コンビモード」では、食材への熱伝導の早さと、調理時間の短縮を実現。仕上がりが安定しているので、焼きすぎや焦げ付きなどによる食材のロスの削減にも繋がります。調理方法が難しいジビエ料理のメニュー拡充にも一役買うこと間違いなし!

食紅に漬け置きしたダイコンから、調味料の浸透具合が読み取れます。また、密閉されているので、食材の風味を一緒に閉じ込めることができるのもメリット。おいしい香りもセットで保存できます。

こちらの真空包装機は、食材を酸素に触れさせないことで保存性を高められる仕組み。真空包装によって食材内の空気が抜かれるので、調味料が浸透しやすくなり、短時間で味を染み込ませることも可能となります。

協力<ホシザキ株式会社>

森の恵みの野生鳥獣を捕獲して森を自然に返そう

長野トヨタ自動車株式会社からは、イノシシや二ホンジカなどの移動式解体処理車(ジビエカー)や鳥獣を捕獲した場所から運び出す機器の試作品「ジビエストレッチャー」が紹介されました。

長野トヨタ自動車株式会社の西澤久友さん。山道でも活用しやすい小型タイプのストレッチャーへの需要が高まっているとお話してくれました。この、背嚢折畳み式ストレッチャーも現在大活躍しているそう!

ストレッチャーはワイヤーと電動ウインチを完備。ワイヤーは鳥獣を載せた状態で車両や木などにくくり付け、ウインチで巻き上げてストレッチャーを引っ張り、移動させます。小型のボディは持ち運びだけでなく、稼働の際も小回りが利くので作業効率もアップできる点が良いですね。

「ジビエカー」や「ジビエジュニア」だけでなく、狭い山道など、多様な捕獲場所で活用できる「ジビエストレッチャー」が登場したことで、鳥獣害捕獲・解体へのスピードはさらに向上し続けています。時代の変化と共に常に進化し続ける鳥獣害用資材には、現場のハンターや生産者の方々の声が必須とのこと。農業関係者として、今後も技術向上につながる発信をお手伝いできればと思います。

協力<長野トヨタ自動車株式会社>

農業女子を増やせ!若い女性の職業の選択肢に「農業」を加えるために

「農業女子プロジェクト」は、女性農業者が日々の生活や仕事、自然とのかかわりの中で培った知恵を様々な企業の技術・ノウハウ・アイデアなどと結びつけ、新たな商品やサービス、情報を創造し、社会に広く発信していくためのプロジェクトです。

このプロジェクトを通して、農業内外の多様な企業・団体と連携し、農業で活躍する女性の姿を様々な切り口から情報発信することにより、社会全体での女性農業者の存在感を高め、併せて職業としての農業を選択する若手女性の増加を図っています。

農業女子プロジェクトに参加している彦坂由美さん。普段は(有)州田園で青ジソ・ワサビ菜の生産と販売を行っています。そのかたわら、こうした取り組みへも関心を持ち、活動しているそう。

農業女子プロジェクトには、現在共に活動する企業・教育機関も存在します。参画企業は33社、教育機関は7社(2019年11月時点)と、それぞれ女性農業者との協同で情報の開発や発信、未来の農業女子の育成に取り組んでいるとのこと。

<企業コラボプロジェクトの推進>

  • プロジェクトの趣旨に賛同した企業と女性農業者が協同で、新たな商品やサービス、情報開発を行い、新市場開発や市場拡大を目指す。
  • 企業とのコラボレーションで発揮されるのは、生産者であり生活者・消費者である農業女子の着眼点、発想力、想像力。

<教育機関「チーム“はぐくみ”」の育成>

  • 桜美林大学
  • 蒲田女子高等学校
  • 近畿大学
  • 産業能率大学
  • 東京家政大学
  • 東京農業大学
  • 山形大学

現在、全国にいる農業女子メンバー791名(2019年11月時点)のなかには、結婚を機に就農したり、後継者就農であったり、新規就農を目標に勉強していたりと、さまざまな地点から活動をスタートさせています。

そんな農業女子プロジェクトのみなさんに共通する目標は、以下の3つ。

  1. 社会、農業界での女性農業者の存在感を高める
  2. 女性農業者自らの意識改革、経営力の発展を促す
  3. 若い女性の職業の選択肢に「農業」を加える

地域グループの展開や、自主企画した農業フェア、参画企業や教育機関と連携したPR活動など、どんどん拡大・発展していく「農業女子プロジェクト」。これからの農業を担う素敵な女性たちから、今後も目が離せませんね!

協力<農林水産省 農業女子プロジェクト>

スマート農業の社会実装の加速を目指して!

この日もドローンやGNSS受信機、ラジコン式草刈り機、GPSトラッカーや気象観測装置、アシストスーツにいたるまで、全国からたくさんのスマート農業実証プロジェクト展示が紹介されていました。

ロボット技術やICTを活用して、省力化、精密化や高品質生産の実現を推進する新たな農業「スマート農業」の動きが活発な昨今。現在の日本の農業の課題として、担い手の高齢化が急速に進むことによる労働力不足や、これまで培ってきた技術の継承が困難になることが予想されます。

そこで、スマート農業を活用することにより、農作業における省力・軽労化を更に進めるとともに、新規就農者の確保や栽培技術の継承などが期待されています。

今回ご紹介する「スマート農業実証プロジェクト」では、最先端のスマート農業技術を全国69地区の実証圃場に導入し、技術の効果や導入による経営への効果を実証および認証しています。

本プロジェクトは2019年4月より開始され、北海道から沖縄の平地や中山間地域において、水田作、畑作、露地野菜、施設園芸、花き、果樹などの作目で行われているそう。今後の活躍にも期待が掛かりますね!

協力<スマート農業実証プロジェクト>

ちなみに現在発売中の『農耕と園藝 冬号』第2特集では、『「ドローン×農業」のこれから』と題し、リモートセンシング技術、農薬散布や作付調査などのサービスについてなど、スマート農業の可能性について触れています。みなさん、もうお手に取って下さいましたか?

こちらもぜひ、チェックしてみて下さいね!!

『農耕と園藝 冬号』絶賛発売中です!!!

今回は、気になる鳥獣害・ジビエの利活用情報や、農業を支える取り組み、そして最新応用技術に関するセミナープログラムなど、盛りだくさんの内容で開催されている『アグロ・イノベーション2019』の会場の様子をご紹介しました。

来年2020年は、東京ビッグサイトにて2020年11月11日(水)~13日(金)に開催予定です。まだ行ったことがないという方は、ぜひ出掛けてみてはいかがですか?

それでは、次回のカルチべ取材班 現場参上もお楽しみに!

文・写真/編集部
参考資料:アグロ・イノベーション2020(一般社団法人 日本能率協会)

この記事をシェア