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千輪仕立て

公開日:2020.2.27 更新日: 2021.5.21

キクの千輪仕立てあるいは千輪作りとは、1本のキク苗に摘心を行って、側枝の数を増やして、数百の茎を育て立ち上げて、株全体を直径3〜4mほどの半球状に仕立て、各茎は一輪咲きにして数百輪の花を同時に咲かせる作り方を言う。
千輪仕立ては大輪の花で200輪、中輪では500輪以上の花を咲かせる。
使用する品種は大ギクであって、枝分かれが多くて、伸長の良い強草勢なものが選ばれる。

数百輪を咲かせるには、前年の秋に冬至芽を採って苗にし、1年かけて3回の摘心で茎数を確保する。千輪以上を咲かせる大作りなら、前年の4〜5月に挿し芽して得た苗を2年がかりで育てて茎を立てる。1年目の8月上旬から翌年の4月中旬まで電灯照明と保温下で苗を育てる。大ギクは秋ギクなので、短日で花芽が分化し、自然日長下では8月下旬頃に花芽分化する。したがって1年目に花ができないように電照で長日にし、大苗にして茎数の増加を図る。

キクは大ギク、中ギク、小ギクと頭花の大きさで分け、直径18㎝以上が大ギク、9〜18㎝が中ギク、9㎝以下が小ギクである。
大ギクは花型から厚物、管物、広物に分ける。厚物は樋のように縦方向で内曲した数百枚の花弁が盛り重なり、まんじゅう形になる。管物は舌状花が管状で、太さで太管(ふとくだ)、間管(あいくだ)、細管(ほそくだ)、針管(はりくだ)に分ける。広物は舌状花の花弁が一重で弁の幅が広く、1列の広熨斗(ひろのし)と数列の八重になる美濃ギクとがある。

 

『農耕と園藝』2010年10月号より転載

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