HOME 読みもの なるほど園芸用語 芽物 なるほど園芸用語 芽物 公開日:2020.3.26 種子が発芽してまだ子葉が展開しない状態から、子葉が開いた後の普通葉を出現して間もない状態までの、芽生えを収穫対象とする新芽野菜類を芽物と言う。子葉が開かないうちの黄化芽生えで収穫するものはもやしで、子葉が開いた緑化芽生えで収穫するものが本来の芽物であり、緑化芽生えであって伸長させたシュートを収穫するものはスプラウトと呼ぶ。普通、もやしは根とシュートを丸ごと収穫し、豆類(ブラックマッペ、緑豆、大豆、アルファルファ、落花生)、ヒマワリ、ソバなどを用い、子葉を開かせないために遮光下で育てる。特大もやしは胚軸を徒長させて30㎝程度にする。 本来の芽物は発芽時から光に当てて子葉の発色を強め、根元で切り取って収穫する。芽ジソには子葉と普通葉が1〜2枚出た青ジソの青芽(あおめ)と赤ジソの紫芽(むらめ)がある。芽タデはヤナギタデの子葉が展開したもので、子葉の赤紫色ものを紅タデ、緑色をアオタデと言う。芽ネギは鉤状で出芽する緑色の子葉と、その後に出る普通葉とを密生させて、5〜8㎝くらいに生長したときに根を付けて収穫する。水耕の芽ネギは播種した培地と一緒に出荷する。 スプラウトは透明容器内で発芽させて密植と遮光で胚軸を伸ばし、その後に光に当てて緑化する。カイワレダイコン(貝割れ大根)、ブロッコリー、レッドキャベツ、マスタード(カラシナ)、クレス、豆苗(エンドウ豆)、ソバなどが流通している。 『農耕と園藝』2010年4月号より転載 この記事をシェア 関連記事 2022.6.14 地中温湯加温 地中に埋めたパイプに温湯を環流して地温を高めることを「地中温湯加温」といい、パイ […] キュウリ栽培塩化ビニル加温育成 2022.5.7 果樹の休眠現象 一般の落葉果樹や花木では、冬期間にある程度の低温を受けないと、春になって萌芽・開 […] 果樹栽培 2022.3.31 八重咲き 普通一重であるもとの花に比べて、花弁数が増加した花を「八重咲き」または重弁花とい […] 花