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種髪と冠毛

公開日:2020.4.2

果実や種子に綿毛状の付属物を付けるものは風で飛ばされる散布体となる。果実に付いている綿毛は冠毛あるいは穂綿と呼ばれ、種子に付く綿毛は種髪と言う。

種髪は胎座(たいざ)あるいは珠皮に起源する。ヤナギ種子の種髪は胎座の表皮細胞が長く伸びたもので、白い綿のように風に舞い、柳絮(りょうじょ)とも呼ばれる。珠皮由来の毛を多数付けるものにはヤナギランなどのアカバナ属 (アカバナ科) 、サカキカズラ属やテイカカズラ属(キョウチクトウ科)、ガガイモ科などの種子がある。ワタの綿毛も種子の外皮細胞の変形で、珠皮由来である。

冠毛は下位子房の果実上端に生ずる毛状の突起であり、ガクの変形である。冠毛は果実頂部あるいは果嘴に付き、毛は剛毛か軟毛あるいは羽毛状で、実が熟すときに長く伸び、乾燥して放射状に開く。キク科のタンポポ、ツワブキ、ノゲシ、アザミなどの果実(そう果)で認められる。冠毛を持つ果実は風で飛ばされるが、冠毛が落下傘となってゆっくり落下して果実の散布域を広げる。冠毛ではない多数の毛を発達させる果実は穂であって、毛は綿の代替えにされることから穂綿と呼ばれる。果実が成熟すると果柄や花柱の毛束が伸びて膨らみ、球状の綿となる。センニンソウ属(キンポウゲ科)、ワタスゲ属、ガマ科、イネ科のススキ・チガヤなどの果実が穂綿になる。ガマの穂は多数の雌花が隙間もなく並ぶ円柱であり、果実が熟すると円柱から爆発するように穂綿が湧き出す。

 

『農耕と園藝』2010年2月号より転載

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