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第58回 座談会「東京オリンピックあと1年」

公開日:2020.3.20

『農耕と園藝』昭和38年10月号

[発行]誠文堂新光社
[入手の難易度]難

50年前の東京オリンピックの周辺を探索するシリーズ(?)第53回では、昭和34年(1959年)の年末に行われた座談会の様子を取り上げた。今回は約3年後、『農耕と園藝』の昭和38年(1963)10月号。東京オリンピックまでちょうど「あと1年」というタイミングだ。この間に、1960年のオリンピック・ローマ大会が開催されている。記事にもあるように、東京大会で選手村の食事を提供する日本ホテル協会の中心メンバーである帝国ホテルから村上信夫シェフが現地に派遣され、大会期間中にどのように毎日1万食の食事を用意すればいいのかを仔細に研究していた。前回の座談会で指摘されていた「清浄野菜」の問題はそうとうに改善されているようであるし、話が具体的になっている。

今回、特に注目したいのは、「冷凍・冷蔵」に関する話が出ていること。またインスタント化、という言葉が見える。また長野など「高冷地」を中心とした日本の生産者が、新しい需要が見込める西洋野菜に強い関心を寄せていることがわかる。外国人が多い大手ホテルなどでは産地と提携し、西洋野菜を安定供給できるように動いている。また、在留米軍への野菜の供給も見える。当時はまだベトナム戦争のさなかであり、日本の基地が後方支援の用地となっていた。以下、記事のあらましを抄録する。また、当時、今後の需要が期待される西洋野菜について神奈川農業試験場の技師がまとめた記事も同じ号に掲載されているので要約を挙げる。50年を経て、身近な野菜としてスーパーの店頭に普通に並ぶものもあれば、現在も、ほとんど流通しない高級野菜も見られる。興味深いのは、この当時、オクラがまだ一般的ではなく、性質や料理のしかたなど詳しく書いていることだ。意外な印象だ。

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#オリンピック#選手村#帝国ホテル#冷凍#冷蔵#缶詰#清浄野菜#清浄栽培#西洋野菜#インスタント

【座談会】 オリンピックあと一年 

選手は3千、お客は3万、やさいやくだものの準備はOK

<出席者>
河西静夫 帝国ホテル常務取締役
鈴木康司 東京日冷青果KK促成部
赤羽一房 長野県経済連松筑支所
鈴木良 誠文堂新光社編集局長
矢富良宗 「農耕と園藝」編集長
嶋田清三郎 「農耕と園藝」編集部員
羽根井良江 同
栗原優 同

選手の数は7,200人、延べ78万食が必要

(河西)オリンピックの食事といってもいろいろあるが、まずは選手とお客さんだ。お客さんの方は、ホテル、旅館、あるいは家庭でまかなっていただく。ただ選手の対策というのは非常に難しい問題だと思う。

(河西)選手村については9月の15日から11月の5日まで50日間、選手村を開いている。したがって、この50日間給食業務が行われる。これを日本ホテル協会が引き受けた。だいたいこれが延べ78万食になる。1日に1万1千2百食、こういうふうにふんでいる。1人の経費は、予算が2千50円。ちょっとこれでは足りないようだ。選手の食事というのは選手を等しく同じ条件に置くということで非常に難しい。

(河西)実は、私のところ(帝国ホテル)ではローマの大会(1960)にもコックを向こうに視察にやり、メルボルン(1956)のときにも研究していた。

※ローマへは村上信夫シェフが派遣された。

●どのような食事を用意するのか。

(河西)突飛な食事というものではなく、だいたい何種類かの定食を用意して、それぞれのお好みで食べていただく。そのほか各国の大使館を通じて特別の注文なども問い合わせている。しかし、だいたいのところ国内にあるものでまかなえると思う。量的にどうかという問題はあるが、そうびっくりするほど違ったものではないと考えている。

●調達は国内のものをじかにですか。適当な経路で入れるのか。

(河西)まだはっきりしていないが、むろん物によっては外国輸入品を使わなければならない場合もあるし、大別してフレッシュの野菜、果物、それと冷凍物・缶詰、だいたい3通りの食材が必要。

(河西)先に挙げた人数で野菜、果物、缶詰を合わせると、目方でおよそ117万貫。キログラムでは449万キログラムになる。それをまた大別していくとフレッシュがだいたい1万5千、缶詰とビン詰で5千、合わせて450万キログラムくらいになる。

(※貫=キログラム換算3.75倍)。

●お客さんのほうはどうか。

(河西)政府の推定では3万人くらい。メルボルンは1万人弱だった。ヘルシンキで7万7~8千人。地理的条件はメルボルンに近いということで、おおよその想像がつく。

●3万人も来た場合はホテルだけでは足りないのでは?

(河西)観戦客は、選手と違って一ヶ月前からボツボツやってくる。ホテルもそうだが輸送にも課題があって、現在、羽田では外国の国際線が14、5機、運行しているくらいだ。なるべく多く来てもらいたい。

(鈴木良)3万人というのは東京にいるということか。その3万人の食糧はどのくらいになるのか?

(河西)東京に来たお客さんが全部その期間滞在しているわけではない。エージェントを利用してくるお客さんが大部分で、ただ競技だけ見るだけではなく方々を連れて歩きたいので、それがうまくいけば毎日3万人いるということになる。だから、たいへんなことには違いないのだが、(例年)10月という月はどこのホテル・旅館でも、ほぼ満員に近い状態なので、その方の食糧の問題については平常通りに考えてもいいのではないか。若干は増えているが、何倍にもなるというふうには思っていない。普通の状態よりもやや忙しい。

(鈴木良)毎年来ている外国人の平均は?

(河西)昨年は一年間で21万人だが、今度は数日間で3万人というのはたいへんだ。

主要野菜の供給態勢はできている だが小物が心配

●市場のほうではオリンピックに関して、なにかこれはそうとうに消費があり、注文がホテル筋からあるといった動きはあるのか?

(鈴木康)市場の立場は、ホテルと産地との間にあって一緒に準備をやるという考え方。(実需の側から)産地への関心があるならそれを早くキャッチして用意し外国人にいいものを、ということで責任があるが、まだ具体的な数字が出せていない。

(鈴木康)いま21品目ぐらいについては積極的につくる必要があるかと思う。たとえばジャガイモ、タマネギをはじめ一般野菜の問題、それから洋菜のなかでレタス、セロリー、このへんの問題だ。これはだいたい年に一度は安い時期があり、このときの量があれば、通常なら産地では手取りを割るときに割らずにちょうどいいということになる。いま市場に入っている築地の市場だけで、だいたい3倍の量があればいいだろうということだ。

(鈴木康)ただしこの中で私どもが産地によって売上げの指導ができないものは洋菜類の細かいもの、このへんに問題がある。したがって市場の立場としてはそうとう売れている、量的にはけているものについては心配ないが、洋菜類21種のなかで、細かいものは高値になるのではないか、という懸念がある。細かいものから言うと、レホール(ホースラディッシュ)、紫キャベツ、それから特にリーキ、カリフラワーが挙がっている。品目のなかではビート、このへんが対策を立てなければいけない。だいたい東京市場入荷の量のほとんどのものがオリンピックに計算すると、ちょうどそれに向く量であるということだ。たとえばビートの場合、5トンくらいあればいい。そうすると4.7トンが東京の全入荷量だから、概算で8千人を3倍して、観光客を含めてキログラム数に出したのがそのくらいのものになってくる。セロリーはの場合は、レタスよりは積極的に栽培を増やさなければいけない。おそらく60トンくらいの量を増やしていただくことになるだろう。そうすると昨年あたりが220トンだから300トン、今までの倍もないが、そのくらいでちょうど高値にならずに産地も合うだろう。

 

冷凍野菜の活用を

(河西)だいたい時期として、野菜はいいときだ。それから、もっと冷凍野菜を使うべきだ。(この場に)日冷さんがいるからいうわけではないが、もっと冷凍野菜を使わなければいけない。外国では非常に使っている。繊維のあるものはあまりうまくないが、そうでないものは非常にいい。

(河西)レホールはどのくらいにみているか

(鈴木康)7千から8千キログラム、10キログラム詰めにして700箱。

(河西)それだけあれば十分。余るね、たぶん。それからポロ(リーク)はどのくらいか。

(鈴木康)本数にして7万2千本です。

(河西)そんなに使いません。選手だけでも2千4、5百くらいのものです。カリフラワーは?

(鈴木康)だいたい40トンくらいの数字です。東京市場の入荷が9月、10月は377トンくらいか。多少早めのものは箱数で8千くらいで3千6百から4千トンくらいですね。

(河西)そんなに使いません。

産地側は高冷地を控えてレタス、セルリー、レッドキャベツの生産は万全

(赤羽)産地の立場からは非常に関心が高い。何をいつの時期にどのくらいいるのか、ということ。私たちのほうでは、取り扱い品目で60数品目あって、そのうち計画的に出そうというのは130数品目。標高差を生かして栽培品目を細かく計画している。これから大衆化していくような大きなものは問題ないが、少ない品目、産地が限られているようなものが、どの程度できるかということに関心がある。そのような品目も供給しようとすればできないことはないということだ。ビートにしてもレホールでも、すでに一定量の生産がある。そのほかビート、レッドキャベツは生産したものを冷蔵庫で保存すれば長期間、注文に応えられる。

●レタスはどうか。9、10、11月ということで。

(赤羽)自分たちの地域では生産段階にはないが、隣の郡の標高の高い広い地域ではその時期の準備はできる。

●チコリーはどうか。9月、10月は難しいと思うが。

(河西)うちでも使っている。しかし、こういうものは特殊で、今度の選手村の食事というものは珍しいものを出すというのではない。日常の食事を出す。その間、若干その国のものを補っていく。だから日本でとれるものでだいたい間に合うと考えている。

●お客さんにうんとお金を落とさせるという意味では別でしょうが。

(河西)それはまた別です。あるもので間に合わせて、珍しいものがあればよけい使ってもらう、こういうことですね。

(赤羽)産地でも特殊なもので荒稼ぎをして利益を取るという考え方ではなく、これを契機にして栽培面でも品質のいいものを出すとか笑われないものを出す。それによって一般の人に消費が伸びる。オリンピックだけであとが伸びないということでは困る。

(河西)今の日本の野菜のとり方というのはその時期のものをその時期しか食べていない。冷凍にすれば一年中食べられるんですから。

冷凍野菜をもっと使え
ライマビーンズ、インゲン、イチゴ、マッシュルームまで

(栗原)(冷凍野菜について)品種の点では今まで国内に出ていたものと比べると・・・。

(河西)割合によくなっている。ライマビーンズ、あれは外国がいい。それとポテトは……。冷凍でも向こうのほうがおいしい。インゲンは日本がいいですね。

(赤羽)いま作っているのがブルーレイク・ストリングレスという品種。私どもでも冷凍をやったが、冷凍そのものの売れ行きが悪い、ということで中止になった。

(河西)ライマビーンズも新種が出ている。インゲンなども缶詰とか冷凍とかにすると、ああいうものはいい。

●それについては雑誌でも大いにPRしなければなりませんね。

(河西)グリンピースより始末がいいんじゃないか。付け合せに使っている。

(鈴木康)話を聞くと日本のものは少なくて値が高くて使えない。これは量を作らなければしょうがない。実際、必要性がありますね。

(鈴木良)日本の野菜で役に立ちそうなのはどんなものがありますか。

(鈴木康)まずソラ豆で、うちだけでも14品種ある。ソラ豆、枝豆、ホウレン草、イチゴ、インゲン、コマツナ、シュンギク、あらゆるものをテストしている。量はソラ豆が一番多い。

(河西)マッシュルームも冷凍にいい。

(鈴木康)日本の場合は冷凍野菜と台湾そ菜、これが将来の問題ではないかと思う。

(河西)もう少ししたらどんどん輸入されますよ。冷凍野菜が……。日本ではそれに対処して今のうちに研究して対抗できるように考えないと……。

●台湾のものというと何ですか……。

(鈴木康)果菜類、とくに12月から4月まで日本の高い時期に、品質の良くないときに自然にできる品質も良いものが供給される。成功したのが昨年のサヤエンドウ。今年はナス、ピーマン、トマトなど非常に安いものが入ってくるということで高知県その他が打撃をうけるときもくるだろうと思う。

(河西)インゲンなどを缶詰にしたら外国にも輸出できる。日本のほうがはるかにいい。

(赤羽)関東ではやはり受けが悪い、なまで出しているものは名古屋方面ではよく売れている。

(鈴木康)好みが違いますね、関東の方では平サヤ、関西は丸サヤですね。

(河西)私が言うのは西洋料理を対象として言っている。あまり長くない若い中のものがよい。

(鈴木康)10月になると品質のいいものが供給されると思うが、問題は8月、9月には産地がないということだ。それで今作っている特定の生産者、10人くらいのグループで帝国ホテルの方から要請があってやっている。食事の中で野菜の量は馬鹿にならない。アスパラガスはグリーンがよい。

●インゲンについて、アメリカはよくないだろうが、フランス種にはいいものがある

(河西)外国で見たことはない。日本のほうがいい。

(赤羽)もともとは輸入種だが。

●伊豆の大井上研究所でフランスから入ったエギュという品種を作ったことがある。それからイギリスの品種でブルーバターというのがあった。なまのときは濃い紫色でゆでるとグリーンにかわる。それを若いときにとると実にいい。

(赤羽)アスパラの加工の関係で、私の方の工場もあるが、ホワイトでやっている。(今の話は)あれがグリーンに変わらないかということだ。産地の体制として集団化していないところに問題がある。共同でやればかなりコストは安くなるがグリーンの段階で加工できれば原料価格は安いと思う。

(河西)日本の人は白いのが本当だと思っているのではないか。外国ではグリーンがいい。こっちに取り寄せてもけっこう食べられる。

(赤羽)なんとかグリーンにできないかと思っているが、ぜったいグリーンは輸入のほうが安い。それと対抗するにはやはりホワイトでなければ対抗できない。

(河西)見通しの考え違いですよ。

(栗原)食事の中に占める野菜の割合というのは日本人と比べてどうなんでしょう

(河西)多いですよ。料理には必ずつくんですから。そのほか暖かい野菜とか冷たい野菜とか別に作るんですよ。

●ニンジンなんかは長くても短くてもいいんですか。

(河西)やはり短いのですね。

(鈴木康)私どもが心配しているのはクレソンですね。

(河西)そんなに我々は心配しておりませんですよ。こういうときは贅沢料理ではないんですから。タマネギ、ニンジン、トマト、キャベツ、ジャガイモ、こういうものはないと困るんですが、あとのものはなしで済まされないものではないんです。

(栗原)ダイコンやゴボウは食べないでしょうね。

(河西)ダイコンは使いますけれども、ゴボウときたら始末に困りますね。

(鈴木康)いちおうオリンピックまでの外国人の数字は別問題にして、レタス、セロリーが国内の面で人々が集まってくるという場合、最近どんな料理にでもついていますから、この方が大きいんじゃないか。それとオリンピックの外人関係では観光客の方で特別な高級品というか、クレソンなども高値で取引されるんじゃないかと思いますが。

●いわゆるクレソンというのはミズタガラシでしょうが……。ポタージュ用のは、オカタガラシの方ですね。

くだものは、見かけよりも味が大切
大きさも、一個で足りる程度の手頃なものを

●果物の方は、ちょうど時期なんですね。

(河西)バナナはあるし、コロガキも。これは外人がよく食べますね。二十世紀、ブドウ。ブドウがあればいいんじゃないですか。

(栗原)食後の果物として出すのは何が一番多いんですか。

(河西)たいした差はないんじゃないか。

(栗原)カキは食べますか。

(河西)日本人ほどではありませんが食べます。

●デリシャスなどは大きすぎるでしょう。向こうのは小さいらしいけれども。

(河西)みんな立派なものを作るのに熱心だ。一個でちょうど足りるくらいの大きさがほしい。2人、3人で割って食べるよりも、1人でいいくらいの大きさ。朝鮮満紅(紅玉)あれくらいの大きさがいい。

(赤羽)リンゴもだいぶ品種が変わって、王玲という品種などがある。

●ゴールデンとインドのあいのこですね。

(鈴木康)だいたい日本の試験場のいき方が間違っていた。もちろん試験場でも手取りを多くするということの狙いではあったのでしょうが。

●青森の試験場の技師が言っておりましたが、東光というリンゴがありますが、これはゴールデンデリシャスとインドのかけ合わせの1つなんですよ。外観の割に味はいい。

生で食べるタマネギは有望

(嶋田)例の生で食べるタマネギもこういう機会に伸ばしたい。

(河西)これは西洋料理でもあとで食べますし、最近はゴルフのあとで食べますね。スライスして酢と醤油にカツブシをかけて。ゴルフのあとで一杯飲むんですよ。今は料亭にいきますと出しますね。

(嶋田)市場での評判はいいんですか。

(鈴木康)最近は多少出てきていますね。あれは飲みながら食べるといいですね。

(河西)近ごろは純粋な日本の野菜の方が西洋野菜に圧迫されていますよ。

(赤羽)長野県の場合を見ても今年あたりのセロリーとレタスの総トン数とキャベツの量とほとんど匹敵ですね。キャベツが16万です。レタスが百万くらいありますから15キロで百ケース。それでセロリーが30万くらいじゃないですか。農家も1800円という価格なら皆で作ろうということで作ったところが300円になった。こりごりしたということが今まで多かった。そういうことがあってはならない。そういう特殊なものは高いということではなくて、自分の産地が本当に暮らせるとか、安定した収入を選ぶのがこれからの園芸作物の栽培でしょう。今度のオリンピックへの関心は深いことは事実ですね。

(栗原)いわゆる清浄栽培といいますか、そういう形なんかはどのくらい取り入れられていますか。

(赤羽)現在はフン尿を畑にもっていくということはしません。今年も米軍へ納入の関係で土壌検査にきて、はじめての地点で回虫卵があったようだが、ほとんどそういう心配は現在のところありません。

(河西)これからは全て清浄野菜ということになってもらいたいですね。

(栗原)そういった検査などもオリンピックのときにはありますか?

(河西)私の方ではこの問題を重要視しました、衛生の問題が一番重要ですから、これの検査ということは厳重にするつもりです。

(鈴木康)市場としてもゴミのあるところで清浄野菜を売っているわけではないので、一応台の上に乗せて売り場は別になっている。高級品扱いをしています。

(赤羽)輸送時の事故、いたみが改善されてくれば、段ボールによってゴミ一つなく処理できると思います。

(河西)これを徹底していただくといいものになりますよ。

肉類はまだ足りない 食事はますますインスタント化するだろう

●肉類はどうですか

(河西)ブタ、羊、牛肉が一番です。

●国内のもので間に合いますか。

(河西)これはそうとう輸入しないと市価が伴わないんじゃないんですか。それから肉でもなんでも冷凍にするといいんですね。これは向こうにいきますと、食事が一人前冷凍になっていて3百円くらいですが、ちょっとあっためればそれでいいんです。電子レンジですと1分くらいでいいんじゃないですか。料理は一度煮て冷凍にするんです。それで一人前ワンセットにしておくんです。そういう料理の上に銀紙でおおって、それがボール箱に入っているんですよ。それにコーヒーとパンをつければいいというわけです。

●日本も最近はインスタント時代ですから。

『農耕と園藝』昭和38年10月号より

 

これから伸ばしたい特殊西洋野菜とその特性

平岡達也(神奈川園芸試験場・技師)

西洋野菜はレタス、セルリー、アスパラガスなどに始まる明治維新以来の歴史がある。一昔前までトマト、キャベツも立派な西洋野菜だったが、今では全く日本のものになった。現在、西洋野菜といわれているものは一般的に次の5~7種類がある。すなわちレタス、セルリー、パセリー、ハナヤサイ(カリフラワー)、ブロッコリーなどだ。このほか、アスパラガス、コモチカンラン(芽キャベツ)等々がある。東京市場では、洋菜類として19品目が挙げられているがピーマン、ハナヤサイなどはすでに一般野菜の果菜、葉菜類のなかに含めて扱われている。

この記事で扱う特殊西洋野菜とは、あまり名前の知られていないもの、また知られていても目に触れることの少ない種類のことだが、あくまでも暫定的な呼び方にすぎない。しかし東京オリンピックを目前にひかえ、世界各国から多数の外国人が来日することによって要求、利用面も拡大されることが期待される。

以下、どのようなものがあるか、根菜類、葉茎菜類、花蕾類、果菜類、香辛類、その他というふうに分類し紹介する。

根菜類
ビート、ラディッシュ、ルタバガ、ホースラディッシュ、パースニップ、サルスィフィー、セルリアック

葉茎菜類
レタス、セルリー、パセリー、アスパガラス、コモチカンラン、レッドキャベツ、コールラビー、ダンデリオン、コラード、エンダイブ、チコリー、セルタス、ケール、リーキ、エシャロット、ルバーブ

花蕾類
ハナヤサイ、ブロッコリー、アーティチョーク

果菜類
ピーマン、洋ナス、オクラ、ライマビーン、サマースコッシュ

香(味)辛類
スイートバージル、スイートマジョラン、ボラージ、セイジ、タイム、ソレル、クレス、デイル、フェンネル、サンマーサボリー、ラベンダートルー、キャラウェイ、アニス、チャービル

その他
マッシュルーム

『農耕と園藝』昭和38年10月号より

著者プロフィール

松山誠(まつやま・まこと)
1962年鹿児島県出身。国立科学博物館で勤務後、花の世界へ。生産者、仲卸、花店などで勤務。後に輸入会社にてニュースレターなどを配信した。現在、花業界の生きた歴史を調査する「花のクロノジスト」として活動中。

 

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