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生食用のハウスキンカン 敬遠していた晩カン

公開日:2020.3.26

こんにちは、KILO77です。中三と小一の子どもが、休校で家でごろごろしているので、「旅に出るぞ」と二人引き連れて、人混みを避けてウォーキングをしてます。

大好きな秋葉原は、万世書房のおばちゃんに軽く挨拶をして脱出。そのまま神田を経由して日本橋、東京駅まで。一本奥の道に入ると、人通りはほとんどありません。こんな店があったんだ、とか、見栄えの良い建物を発見したり。

東京駅そばの建設工事現場には、ゴジラが飾られている。映画『シン・ゴジラ』ここで決戦が行われたんだもんね。

自粛ムードで、くだものの需要もおちているのか? と思いきや、湯島にあるむさしやさんは、あまり影響されていないそうです。

3月下旬の店頭は、雑柑類が占めていた。イチゴでも良いかなと思ったけど、気温の上昇下降が激しくて、荷物が少ないんですって。とくに栃木産イチゴが。
今回はネーミングで決めちゃったのもあるかな。『たまたま』ね。

「飯島さん、コロナの影響は出ていますか?」

「うちは、固定のお客さんがついているから、あまり関係ないね。そもそも、病院のお見舞いにくだものや缶詰を持って行く習慣がなくなっちゃっているからね」

「そうなんだ。衛生的に悪い、とかで?」

「病院側で、食べ物のお見舞いはやめてくれって。生花もだめなんだよね。あそこの病院、院内にあったお花屋さんがなくなっちゃった」

「本当ですか! お花を生ける余裕もないのか」

「万が一、雑菌などの問題で、責任問題に発展するのを怖がっているみたいね」

「なんも気晴らしになるような物が、ないじゃないですか。病院も変わったんですね」

「一番ばい菌持ち込みそうなのは人間なんだけどね。花や果物には罪はないよね」

「ですね。ところで、3月中旬ですが、やっぱりおすすめカンキツ?」

「今時期、これって物があまりないね。丸ごと食べられるキンカンとか」

「キンカンって、甘露煮にしてある、みるだけのキンカン?」

「食べても美味しいよ。仕入れたのは宮崎県産の生食できるキンカン」

「すっぱいんでしょ~?」

「木成りにしているから、渋さが抜けて酸味も穏やかに、そのまま口の中に放り込めるキンカンだよ」と、半信半疑のママ、自宅へお持ち帰り。

子どもには大評判 宮崎産ハウスキンカン「たまたま」

だいたい、キンカンを食べる習慣がないもので、これを丸ごと食べろといわれても、ねぇ。丁度、スーパーボールの大きさで、口の中へ放り込むには良いサイズ。種もそのままバリバリ食べてと、飯島さんからのアドバイスもあって、エイッと、放り込み、咀嚼してみましたが。酸っぱいし、種はちょっと大きめで、自分には食べられなかったです。

ハウスキンカンの断面。実に対して種が大きいかな。これさえなければ。
甘みは、実と皮の間に隠れています。ひょっとしてキンカンは果皮を食べる果物かも知れない。木成りのハウスキンカンならではの味、なのかな。

救いは、小一の次男が、美味しいと、バクバク食べていたことです。舌がバグってるのか? 実と皮の間が、とても甘いのですが、実は酸っぱく、皮は若干の渋みは残されたままでした。子どもには「たまたま」というネーミングがツボに入ったようで、楽しみながら食べていました。

噛んだあとのキンカン。甘みと酸味と渋みが一度に口の中に展開する。うーん。私には、調和されているとは言いがたい味、でした。ごめんなさい。
次男は、おいしいおいしいと、ぱくぱく。小さいミカンを丸ごと食べるのが楽しいんですって。

今回購入したキンカンについては、甘露煮にした方が幸せかも知れなかったです。他方、生食用として出荷している宮崎県生産者の先進性は賞賛に値すると思います。このサイズで、皮ごと食べられて、カンキツの甘さと渋み、酸味を楽しめるようにしたのは、エポックではないでしょうか。

値段も、私が買ったのは350円でしたが、最後の方なので最盛期の半値だそうです。最盛期の物だったら、もっと甘かったのかも知れませんね。来年、もう少し早い時期に食べてみますね。

皮が厚くてむきにくいのが 晩カンを敬遠していた理由です

鮮やかな黄色は、スッキリ、さっぱりを体現している晩カン。

もう一つおすすめされたのは、晩カン。産地によって出荷名が違うそうで、愛媛のブランド物は『美生柑』とか『宇和ゴールド』という名で出荷されたり、熊本では渋めに『河内晩柑』として出荷されたり。産地の思惑もそれぞれと言ったところでしょうか。

分厚い果皮をむくと、白い雪玉のような晩カンの実があらわれる。皮が浮いていないので、実が充実している反面、むきにくい。包丁で筋を入れた方が、私はむきやすいです。
お皿に並べてみました。このあと、子ども達の胃袋に、あっという間に。

飯島さんは、この晩カンを、グレープフルーツを服用している薬の関係で食べられない人たちに向けてお勧めしているそうです(薬との食べ合わせ、禁忌について詳しくは専門の方にお聞き下さい。自己責任でお願いします)。気温が上昇してきて、ちょっとさっぱりした果物が食べたいときに、この晩カンはうってつけと、飯島さんは言ってました。

とてもみずみずしい果肉。甘さは抑えめ、さっぱりとしていて、酸っぱすぎず。ほどよいなぁ。ちょっとのどが渇いた時に頂くと、苦みも合わさって美味しい!

糖度は10度、可食率は約60%でした。ちょっと果皮が厚めだからこのスコアだけど、ジューシーで食べ応えあるので、満足度は高いです。じょうのうも食べるとおなかも満たされます。

真ん中付近にあるポツポツの数が、じょうのうと一緒の数だとみた。すると、じょうのうは10個あると予想がつきます。
じょうのうは10個ありました。このポツポツは、じょうのうに養分を運ぶ『管』、なんでしょうか。

ピンク色の季節に目立つ黄色をまとい、ぬるくなる季節にはもってこいの、切れの良いさわやかな酸味と水気がたまらない、3月下旬の晩カンはおすすめできます。

 

それでは!

次回KILOの担当は、4月14日です。

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