農耕と園藝 online カルチべ

生産から流通まで、
農家によりそうWEBサイト

なるほど園芸用語

球根

公開日:2020.4.9 更新日: 2020.3.26

多年草の器官が肥大して養分を蓄えた貯蔵器官となり、それが繁殖体となるものを総称して球根と言う。植物形態的には肥厚した地下茎、あるいは貯蔵根を含むが、園芸作業での取り扱いに類似性があることから一括して球根と呼ぶ。球根を作る植物を球根植物と言い、球根植物の生活環には休眠期があって、その期間を生育に不適な時期にあてて、繁殖や次期の生育に備える。球根という用語は園芸や一般に使われるが、植物学用語にはない。

球根は貯蔵器官の種類や形態により次のように区分される。

鱗茎

多肉化した鱗片葉が短い茎の周りに重なり合うものを鱗茎と言う。外皮がある鱗茎を有皮鱗茎または層状鱗茎と言い、外皮のないものを無皮鱗茎、または鱗状鱗茎と言う。

層状鱗茎:鱗片葉が生長点を取り巻いて層状に重なり合い、最外側の鱗葉が薄皮になって鱗茎全体を覆う。毎年母球が消耗し新球と交代する更新型と、更新されずに新しい鱗片葉が内部に作られて母球自体が大きくなる肥大型とがある。更新型にはチューリップ、ダッチアイリスが、肥大型にはアマリリス、ヒヤシンス、スイセン、ハマオモトがある。

鱗状鱗茎:鱗状の肥厚した鱗片葉が短縮茎の周りに松かさ状に重なってつく。ユリ、ムラサキカタバミ、アキメネスがある。

球茎

地下茎が肥大したもののなかで、球に近い形状のものを球茎と呼ぶ。葉の基部が乾燥してできた薄皮が球茎全体を包む。母球は更新型である。グラジオラス、クロッカス、フリージアがある。

塊茎

地下茎の茎軸自体が塊状や球状に肥大したものを塊茎と呼ぶ。母球の更新型に、カラジウム、アネモネ、カラー、ジャガイモ、クワイ、チョロギなど、肥大型にはシクラメン、グロキシニア、球根ベゴニアがある。

根茎(地下茎)

地中を横走する肥大した茎で、貯蔵器官となる地下茎を根茎と言う。カンナ、ワラビ、アマドコロ、ミョウガ、タケ、ハスなどがある。特別な呼び名があるものに尾状根茎(地下茎の先端に鱗片葉が形成され、松かさ状あるいは尾状となる。アキメネス)と念珠状根茎(地下茎の節間がふくれ、節の部分はくびれて念珠状になる。リボングラス)がある。

塊根

不定根が肥大し塊状になったものを塊根と言う。根は腋芽が存在しないので、茎の基部にある芽を塊根の上部につけた状態で栽培する。ダリア、ラナンキュラス、アネモネがある。サツマイモは不定芽が発生するので塊根だけで植え付けられる。

担根体

茎軸の特徴を持ちながら、葉をつけないで、根を生ずるものを担根体と呼ぶ。球根として扱う担根体はヤマノイモ、ナガイモのイモである。イモの断片を培養すると不定芽を生じる。

 

『農耕と園藝』2014年5月号より転載

この記事をシェア