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挿し木の方法

公開日:2020.4.23

植物体から切り取った組織や器官を培地に挿すことで、不定根や不定芽を形成させて個体を再生させることを挿し木という。挿し木した組織や器官は挿し穂、挿した培地は挿し床と呼ぶ。挿し木の方法を挿し穂の種類から分類すると、枝挿し、芽挿し、葉挿し、根挿しとなる。

枝挿し

1ないし数個の側芽や葉をつけた茎を切り取って挿し穂にした挿し木であり、木本植物では枝挿し、草本植物では茎挿しという。挿し穂には腋芽ないし側芽がすでにあるので、不定根の形成を促す管理を行う。

木本植物では当年生枝を挿し穂に用いるが、その茎の熟度による呼び名があり、生長中の枝を用いると緑枝挿し、生長を停止したばかりの枝を用いると半熟枝挿し、休眠状態の木化した枝を用いると熟枝挿しまたは休眠枝挿しという。また、挿し穂の基部に少しの二年生枝を残す場合には、かかと挿しと呼ぶ。

落葉樹の休眠枝挿しでは、休眠期に穂木用の枝を採取貯蔵しておき、挿し木適期に取り出し、挿し穂に調整して用いる。

挿し穂が頂芽を持つ場合の挿し木を特に天挿しと呼ぶが、これは茎挿しではなく芽挿しに分類する。茎挿しは側芽を持つが頂芽の無い茎や枝を挿すので、天挿しに対して管挿し(くだざし)という。

また、1葉とその基部の腋芽と少量の茎組織をつけた挿し木は、特に葉芽挿し(はめざし)と呼ぶが、これは挿し穂が1葉1芽の茎挿しである。

芽挿し

枝先端部の芽を挿し穂とする挿し木を芽挿しという。したがって、挿し穂が頂芽を持つ天挿しは芽挿しである。芽には展葉していない休眠芽も、展葉した若い葉と頂芽とからなるシュートもある。芽挿しは草本植物で多用され、挿し芽はその挿し木作業をいうが、どちらも同じ意味に使われる。

葉挿し

葉を挿し穂とする挿し木を葉挿しという。不定根と不定芽の形成が必要であり、葉柄や葉脈の基部からの不定根と不定芽の発生を促す。1枚の葉を挿す全葉挿しと、葉を分割して挿す葉片挿しとがある。

この方法で繁殖できる種類は少ない。セントポーリア、グロキシニア、ベゴニア、サンセベリアなどで行われる。ユリ科植物の球根で行われる鱗片繁殖も葉挿しの一種であり、不定芽は子球となる。

根挿し

切断した根を挿し穂とする挿し木を根挿しという。挿し穂に不定芽を形成させる必要があり、根挿しが適用できる種類はカキ、タラノキ、フジ、キリ、ハナズオウ、アカシア類などと限定される。

なお、根伏せも同じ意味に使うが、草本類では地下茎の茎挿しである根茎挿しも加えている場合がある。

 

『農耕と園藝』2014年7月号より転載

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