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野菜、蔬菜、山菜

公開日:2020.4.30 更新日: 2021.4.14

食事の際、副食として食べる植物を総称して野菜と言う。栽培植物である作物も野生の植物も、副食の食材として利用する時、これらの植物を野菜と呼ぶ。
野菜とは野生の菜であり、本来の意味は栽培されていない副食用の野生植物を示す言葉であり、同じ用途のために栽培される作物とは区別されていた。両者を一緒にした呼び名には「あおもの(青物)」があり、この青物の代名詞として野菜が使われるようになったという。

なお、副食用の作物を示す言葉としては蔬菜」があてられていたが、この用語は慣用されずに、現在は野菜と同義に使われている。

野菜・山菜の分類

野菜の分類は利用部位を基準にして、果菜類、葉茎菜類、根菜類に分けるのが一般的である。

山菜野生植物のなかから選ばれた食用が可能な種のなかで、野菜として食べられる種類の総称である。したがって、草本性だけでなく木本性植物も多く、キノコや藻類も含まれる。木本性は樹木野菜とも呼ばれ、若芽、若葉、花序などが食用にされ、かい敷やあしらいの食材としても用いられる。

山菜の分類では、採取される生育地別が便宜であるとして、山地の、野や里の、水辺の、海辺の山菜に分けている。

山地の山菜

イネ科―ネマガリタケ、マダケ
イラクサ科―ウワバミソウ、ミヤマイラクサ
ウコギ科―タラノキ、コシアブラ、ウド
イワデンダ科―コゴミ
キキョウ科―ツリガネニンジン、ソバナ
キク科―モミジガサ、ヤブレガサ、ヨブスマソウ、ヤマゴボウ
キンポウゲ科―ニリンソウ スミレ科―スミレサイシン、オオバキスミレ
ゼンマイ科―ゼンマイ ユリ科―シオデ、ギョウジャニンニク、ヤマユリ、カタクリ、アマドコロ、アマナ
クサスギカズラ科―オオバギボウシなど。

野や里の山菜

アカザ科―アカザ、シロザ
アブラナ科―イヌガラシ、ナズナ
コバノイシカグマ科―ワラビ
キク科―ハハコグサ、ヨメナ、ヨモギ、コオニタビラコ、タンポポ、フキシソ科―カキドオシ
タデ科―ギシギシ、スイバ、イタドリ
トクサ科―ツクシ
ナデシコ科―ハコベ
ユリ科―ノビル、サルトリイバラ、ノカンゾウなど。

水辺の山菜

アブラナ科―ワサビ、オランダガラシ
イネ科―マコモ
オモダカ科―オモダカ
スイレン科―ジュンサイ
セリ科―セリ
ヒシ科―ヒシ
キンポウゲ科―バイカモなど。

海辺の山菜

セリ科―アシタバ、ハマボウフウ、ボタンボウフウ
アブラナ科―ハマダイコン
ヒユ科―オカヒジキ
ユリ科―ハマカンゾウ
ハマミズナ科―ツルナなど。

 

『農耕と園藝』2014年8月号より転載

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