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果樹の樹形

公開日:2020.5.21

果実を商品として生産する生産園芸と、果実を収穫して楽しむ趣味園芸で果樹を栽培する場合とでは、仕立てる果樹の樹形が異なることもあるが、基本的には果実の収量と品質が優れ、収穫の容易な樹形が望ましい。ここでは生産園芸の主要果樹で採用されている樹形について解説する。

主幹形

主幹は直立して樹冠頂部に達し、多数の側枝を分枝し、下段の側枝は太くして骨格の役目も持たせ、全体が紡錘形になる樹形を主幹形という。主幹から出る枝は初めから骨格枝とするのではなく、亜主枝上に作る側枝と同じ役目の枝として主幹上に分枝させる。カキやクリでは、幼木期には主幹形で仕立て、成木になって光の透過が悪くなると変則主幹形か開心自然形に仕立て直す。

細型紡錘形

わい性台木に接木されたリンゴ品種を主幹形に仕立てると、主幹上に分枝する側枝は細くて短いので、骨格枝の役目をまったく持たないで、樹姿は紡錘形になる。わい化程度が弱い台木では紡錘形仕立て(スピンドルブッシュ)になり、わい化程度が強い台木であれば細型紡錘形(スレンダースピンドル)と呼ぶ主幹形になる。

変則主幹形

リンゴ、ナシ、カキなどの自然樹形では、若木の時には幹や枝の直立性が強いが、樹齢が進むと弱くなる。この樹齢変化に合わせて、初めは主幹形として仕立て、発生角度の大きい主枝を育てながら生長が落ち着いた時期に、上段の主枝の位置まで主幹を切り下げ、樹冠の上部を取り除き、主枝を3~4本配置させた樹形にする時、これを変則主幹形という。

主幹をある高さで切って樹冠の上部を開いた状態にする樹形は、主幹形の芯を取り去った形であり、広義には開心形とみなすことができる。変則主幹形、開心自然形、杯状形などはこの型に分類される。

開心自然形

枝が開張しやすくて幹が高くなりにくい樹種では、主幹の高さを60~90㎝とし、2~4本の主枝を分枝させて、斜め上に伸ばし、各主枝に2~3本の亜主枝を配置した開心自然形仕立てにする。主枝の発生角度は45~30度程度にし、下の主枝では大きく、上では小さくする。モモ、ウメ、スモモ、カンキツ類などで採用される。

開心形(杯状形)

主幹の高さを50㎝以下とし、主枝をほぼ同じ高さから2~3本分枝させて杯状に開張させる樹形を開心形または杯状形という。イチジク、リンゴ、ウメ、モモ、ビワなどで採用される。

棚仕立て

支柱を立てて棚を作り、棚下に植えた株の主幹から分枝した主枝を棚に誘引して作る樹形を棚仕立てという。ブドウやナシで採用される。主枝の整枝は、2本の主枝を左右に伸ばしてT字型に誘引する一文字整枝や、主枝を一方向に伸ばすオールバック形整枝が行われる。

 

『農耕と園藝』2014年11月号より転載

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