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新品種発表会

トキタ種苗大利根研究農場オープンデー2023

公開日:2024.1.8 更新日: 2023.12.22

コマツナ「真夏の四番打者」

ユニークな名前が印象的なコマツナ品種。

夏まきが可能なコマツナ品種「真夏の四番打者」。葉物野菜が少なくなる夏に、乾燥や酷暑環境でも育ちやすく、収穫量が多いのが特長。トキタ種苗(株)のコマツナは、春先から梅雨の頃までは「春のセンバツ」、夏は「真夏の四番打者」、秋は「春のセンバツ」、厳冬期には「冬の豪速球」と、時期ごとに同じような収穫サイクルで栽培できる周年ラインナップが揃っている。

最低限の潅水量で栽培できるため、とくにハウス栽培におすすめという。しかも雨が多くても急に育つことがないので、露地栽培にもうってつけ。とある生産者が今年の夏に発生した線状降水帯により、「真夏の四番打者」を栽培していたハウスが水に浸かってしまったという。通常のコマツナは、土壌水分が急激に増えると急成長するため、サイズが規格外となり出荷ができないことが多い。しかし「真夏の四番打者」は、殺菌剤や酸供給剤を施すなどの処置はしたものの、ほぼダメージなく規格に沿ったものが出荷できたという。

収穫量も多く、作業性や耐暑性も高い「真夏の四番打者」。今後ますます気候変動が気になる生産者にとってユニークな名前のとおり、ここぞというときに頼りになる存在になりそうだ。

酷暑にも強い特長は、今後の気候変動にも対応した品種だ。

コマツナの他に今後の気候変動に対応した品種としては、ネギの「大河の轟き」が挙げられる。干害や湿害にも非常に強く、酷暑でも葉先枯れが少ない。この特長を生かし、暖地の年明け収穫作型の産地にも広く使えるという点でも評価が集まっている品種だ。

 

取材協力/トキタ種苗(株)
取材・文/小日向陽子

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