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【関西 野菜】イタリア野菜

公開日:2023.11.30
フラクタルが連続するロマネスコのアップ写真。(画像/photolibrary

 

日本でこの呼び名で呼ばれるようになったのは、イタリア語で「Broccolo Romanesco(ブロッコロ・ロマネスコ」と呼ばれていたからで、これは「ローマのブロッコリー」を意味するそうだ。しかし、日本ではブロッコリーではなくカリフラワーの仲間に分類され、栽培においては農薬の摘要もカリフラワーとなっている。

ブロッコリーとカリフラワーの交配種だと思われていた時期もあったようだが、ヨーロッパではカリフラワーやブロッコリーよりも利用の歴史は古く、むしろカリフラワーの原型だとも言われている。

食べると食感はカリフラワーに近いが、カリフラワーのような独特な香りは少なく、味わいはブロッコリーに近い。

このロマネスコ、数学界においてはフラクタル図形としても有名なのだが、もうひとつ数学的な特徴がある。よく見ると、とんがり帽子のような形状がらせん状に渦を巻いているのがわかると思う。

一つの頂点に注目して、このらせんの数を数えると、右回り、左回りの両方で数えることが可能なのだが、その注目した頂点のサイズにもよるが、どれも8、13、21という特殊な数字になるのだ。何が特殊かというと、これらの数字は「フィボナッチ数列」という、前の2つの数字を足したものがずらーっと並んでいる数列で、この数列を紹介したのがイタリア人の数学者であるフィボナッチであったことから名づけられた。

0、1、1(0+1)、2(1+1)、3(1+2)、5(2+3)、8(3+5)、13(5+8)、21(8+13)、34(13+21)、55(21+34)、・・・・・と続いていく。不思議なことに、自然界ではこの数列に従って数が決定されているものが多く存在しているようなのだ。ヒマワリの種子や松ぼっくりのかさ、オウムガイの殻のらせんの半径などが有名だ。

なんとも不思議なのだが、それが自然の摂理なのだと言うから、むしろ人間が作り出した整然としたもののほうが文字通り「不自然」ということなのだろう。

しかし、この野菜、スーパーなどではめったに見かけることはない。外食店でも、少しお高めのフレンチやイタリアンのお店でつけ合わせの野菜として見かけることはあるが、リーズナブルなチェーン店の洋食レストランでも使われることはまずない。

他にも通称「イタリア野菜」と呼ばれる野菜がある。トレビス、チコリ、ケール、フェンネルなどがあるのだが、どれもロマネスコ同様、日常で馴染みのない野菜ばかりだ。

トレビス。パスタやリゾット、肉料理のつけ合わせなど、ヨーロッパでは料理の様々なシーンで活躍。(画像/photolibrary
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