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【関西 果実】紀の川柿

公開日:2023.11.30

この栽培方法は、1970年代に和歌山県北部の紀の川市ではじまったが、当初は収穫後にカキのヘタが枯れたり果実の日持ちが悪かったりということが起きていた。そこで長年の技術研究の結果、ヘタを出したまま袋がけすることで高品質のものができる方法が確立され、2000年代頃から『紀の川柿』はブランド柿として出荷されるようになった。

品種としては「平核無柿」や「刀根柿」など和歌山県で一般的に栽培されている渋柿なのだが、この栽培方法で作られたものは樹上完熟しているのでやわらかいのかというとそうではなく、食感はサクサクとして甘みが強く一度食べると病みつきになってしまうという人が多い。カキ特有のヌルっとした食感が苦手だからカキが嫌いという人のなかにも『紀の川柿』ならおいしく食べられるという人もいる。

では他のカキと比べてどれくらい希少で高級なのだろうか。大阪市東部市場に入荷された過去5年の入荷量と単価を、同じ品種の「平核無柿」と「刀根柿」のものと比較してみよう。


コロナ禍の影響などもあったので年によって多少はバラつきがあるが、通常の栽培方法のものに比べると、約1%程の入荷量となっている。

価格はというと、このグラフでは通常栽培の単価のほうが高い。これでは割に合わないのではないかと元のデータを見てみると実はトリックがあり、通常栽培のものは初夏から夏にかけて出荷しているハウス栽培のものも含まれているため単価高となっているのだ。

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