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島根発。反収倍増 トマトの「しだれ仕立て」

公開日:2024.3.1

水稲の育苗ハウスを活用した「トロ箱栽培」

なぜこのような整枝法が生まれたのでしょう? 島根県の元農業改良普及員で現職時代は野菜全般を担当。のきの郷でトマトの栽培指導に当たっている原 卓(はら・たかし)さんにお話を伺いました。

「島根県が推奨している『トロ箱栽培』の活用法のひとつです」

「トロ箱栽培」とは、その名の通りブリなどの魚の流通に使用される細長い発泡スチロールの容器=トロ箱を再利用して、島根県農業技術センターが開発しました。そこに培土としてヤシガラ、腐葉土、モミ殻炭等を入れ、点滴チューブを設置した簡易型養液栽培システムです。低コストで導入可能で、軽量で移動も楽なので、ミニトマトや中玉トマト、イチゴ、キュウリ、ナス等を栽培する生産者が、県内各地で増えています。

軽量で移動も容易な発泡スチロール製のトロ箱に培土を入れ、トマトを栽培。

水稲とトマト。異なる作物を同じハウス栽培する場合、前作に使用した農薬を後作の作物が吸い上げる「コンタミ」のおそれがありますが、トロ箱栽培には、培土を地面と遮断する効果があり、それが農産物の安全性にもつながっています。

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