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公開日:2024.3.1

進む基盤整備と大規模化

ここで「のきの郷」の山本耕一代表理事組合長にお話を伺いました。

「のきの郷は、800haの能義平野で460haの大区画整備事業を機に、2013年に誕生した、まだ若い農業法人です」

 

長年のきの郷の歩みを見守ってきた組合長の山本さん。

のきの郷が耕作している農地は151ha。151名の組合員が加入していて、自ら栽培する人と、法人に栽培を委託するケースがあります。区画整備に伴い、のき郷の水田は構造的にも大きく変わりました。

「水田の基盤整備にFOESA(フォアス)という灌漑システムを導入しています」

1枚の圃場を約70aに大型化。さらに水田の地下にパイプを配し、水位を一定に保つことができる水位制御システムです。これにより、これまで水田では難しいとされてきた、麦や豆類等の安定的にかつ高品質な栽培が可能になりました。

こうした経過を踏まえ、のきの郷では、1年目5〜7月に水稲を作り、9〜12月にキャベツ、ナタネ、ソバ、麦を栽培。翌年の1〜5月にキャベツ、ナタネ、麦を作り、6〜11月に大豆を栽培する「2年3作型」を実施しています。

地元の農家が集まり「能義地区営農組合」を結成し、時間をかけて何度も話し合い組織を構成して法人化。大型機械を駆使し、湛水も排水も可能な圃場で、集約的に米や麦、大豆を栽培する。そんなスタイルを築き上げてきましたが、ひとつ問題が生じました。

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