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なるほど園芸用語

副梢と果台枝

公開日:2020.5.28

園芸では樹木の1年生枝を今年枝および当年枝というだけでなく新梢ともいう。新梢が出芽伸長した芽の位置からの呼び名もあり、頂芽から出芽した新梢は頂生枝と、側芽からのものは側枝という。

新梢の葉腋には腋芽を分化するが、この腋芽が発達して側枝になるのは、一般には冬芽として越冬した後の2年目になる。腋芽が休眠期を経て側枝として生長する生長様式を先発枝という。しかし腋芽が形成された当年の生育期のうちに休眠することなく側枝に生長する樹種もあり、この生長様式は同時枝という。

新梢が頂生枝として生長する時に、その側芽ないし腋芽も発芽して側枝を形成する場合に、この側枝を副梢と呼ぶ。副梢は新梢の側枝であるが、その発生要因から以下の3通りに分ける。

①自然に発生するが、同時枝と先発枝の伸長方法がある。

②新梢を摘心して発生させる。摘心によって頂芽を取り去ることで、頂芽優勢によって抑えられている腋芽が発芽して伸長する。

③植物成長調整剤を散布して頂芽優勢による腋芽の発芽抑制支配を解除して発生させる。

自然発生の副梢

自然発生の副梢には先発枝として生長するものと、同時枝として生長するものがある。先発枝であって副梢となる例にリンゴやナシの果台枝がある。同時枝である副梢の例にはモモ、ウメなどの核果類、ビワ、ブドウなどの新梢がある。果台とはリンゴやナシの果実の果柄が出ている果梗(果柄)枝の先端部位を意味するが、果台の長さを想定している場合には果梗枝を指す。果台枝は果台を構成する果梗枝の葉の腋芽が発芽生長した側枝を指す。

リンゴで見ると、花芽が発芽して花序軸が生長すると、花序の小花が展開する前に2〜3枚の普通葉が先行する。この場合の花芽は混芽(混合花芽)であって花芽と葉芽を内包し、冬芽となって越冬して発芽すると、側枝も花序も今年枝として生長する。したがって、側枝である果台枝は見かけ上は同時枝的な成育をする副梢になる。

カンキツ類では有葉花枝が果梗枝になるが、普通葉の腋芽は休眠して発芽しないし、側枝として生長するときには果梗枝は2年枝となっているので、この果梗枝の側枝は副梢とはならない。

摘心などによる副梢

新梢の芽摘みや切り返し剪定などの摘心を行うと、切除した部位近くの腋芽が発芽生長して副梢になる。

植物成長調整剤を利用して発生させる副梢は、リンゴのわい性台木苗の育成に使用される。リンゴの頂生枝である1年生主幹に植物成長調整剤のビーエー液剤(ベンジルアミノプリン液剤)を散布して多数の副梢を発生させる。これらの多数の副梢をフェザー(羽毛状枝)と呼ぶ。

 

『農耕と園藝』2014年12月号より転載

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